NO.382  (2024.10.10)

ノートPC用ACアダプターで作る25W無線機用電源

                                                                  By Yankさん

ども、Dynaです。 

 10月になり、信州での農作業が少なくなってきました。つい先日まで畑の栗の木が沢山の実を付けたので、頑張
ってJAに出 荷したのですが、気温が寒くなるのに伴い、実もピタッと取れなくなってしまいました。この後は、レタ
ス等の高原野菜とサツマイモ と落花生の収穫をしますが、だんだん畑の作業は少なくなります。米騒動もすっかり落
ち着き、スーパーには沢山の新米が山積みとなり、一安心ですね。
 さて、農作業が少なくなってきのだから、そろそろ趣味の世界を充実しなければいけませんね。かと言ってすぐに
秋葉原には行 けません。「何から始めようか?」と、悩んでいるうちに、アマチュア無線関連で動きが出てきました。
  当方が小さかった頃は「趣味の王様」と言われたアマチュア無線。スマホが発達した今日、「何に使うの?」「電話
すれば良い じゃん!」と言われてしまうかも知れませんが、YouTubeの「宮甚商店」さんを見ても分かるように、会話
する趣味というよりも、そこ に至るまでのプロセス(特に機器の)を楽しむ趣味だと思います。
 当方は、アマチュア無線の趣味はありませんが、兄がかなり染まっていたので、無線機づくり等のお手伝いを良く
しました。最近 はやっていないようなので、兄貴に「どうするの?」と聞いたら、ボチボチ復活したいようでした。
 そんな訳で、アマチュア無線のお話がポツリぽつりと出て来たため、個人的にも懐かしくなり、何かお手伝い出来
ないかと思って いたところ、レポートNO380「ノートPC用ACアダプターを改造して作るデサルフェーター(車の
バッテリー延命装置)」のYankさんが アマチュア無線関連レポートを書いたとのことで送って頂きました。ありが
とうございます。また、「アマチュア無線のクラブを立ち上 げたので是非PRしたい。」とのことです。当方のHPでは、
アマチュア無線関連情報は大変少ないのですが、「ハムフェア」に行くと 分かるように、アマチュア無線の好きな
方々の集まりはとても熱いものを感じますので、支援したいと思います。
 それでは、早々にレポートを拝見しましょう。それから、ハムクラブ等の支援方法(専用HPの立ち上げ等)は今後
検討します。

                                                                                                                               By Dyna  AC

アダプターの改造は、発煙・発火や感電というリスクがあります。記載事項については
「重要」
※ ACアダプターの改造は、発煙・発火や感電というリスクがあります。記載事項については
  一切責任を取りませんので、改造は全て自己責任、リスクも改造者が100%負うことになります。りませんので、改造は全て自己責任、リスクも改造者が100%負うことになります。




こんにちは Yank です。次のレポートです。

ノートPC用ACアダプターで作る25W無線機用電源

1,作ることになった背景

最近、私の属する愛北アマチュア無線クラブでは、シャックを新造し、アンテナの増強を行い、クラブ紹介のホーム
ページ https://mrs138.sakura.ne.jp/ja2yak/ をメンバーの中の得意な人が作成した。

また、海外からのアクセスにも対応できるよう、日本語検定1級の資格を持つアメリカ人にも加わってもらって、英語
版も用意した。クラブには、いろいろなベテランが揃っていて、毎日曜日、コーヒーミーティングを行っているが、
それぞれの専門家の話に花が咲いている。また、リンクしているこの動画を見てもらうと、先端まで地上高50mとい
うクランクアップタワーの上昇・回転の様子やその規模が分かってもらえるかと思う。

撮影もメンバーの中のプロがドローンを駆使して行った。
https://mrs138.sakura.ne.jp/ja2yak/image/JA2YAK-HP-720P-Video001.mp4

会員が一部増え、中にはかなり遠方の局もあって、ロールコール時に、我が家の10Wではショボいと私は言われて
しまった。パワーをアップしたいが、現用中の電源では、無理があり、電源を何とかしようと、ジャンク箱を漁ったら、
デサルフェーターに改造できなかったこれが出てきた。

写真:HP 120W AC adapter.jpg,


写真:Spec 18.5V 6.5A.jpg



2,改造した具体的なHPの電源基板

この電源の18.5Vを13.6Vに下げる改造を行えば、13.6V 6.5A = 88.4W の電源になり、25-30Wクラスの送信電力の
無線機にも対応可能になるはずと、早速、中身を調べてみた。

写真:SM Parts side.jpg


表面実装部品はこのように基板に配置され、注記したように各ブロックが構成されていて、電圧を決めるError回路
部分の制御ICは、カメラで接写しても、この程度しか分からず、拡大鏡を使い角度を調整したことで老眼の私でも
何とかTSM103/Aと判読できた。

写真:Control IC.jpg


このICは、フランス・イタリアの2つの半導体メーカーが寄り合ってできた、STマイクロエレクトロニクスという会社製
で、下記リンクの仕様書があり、"Dual Operational Amplifier and Voltage Reference” というスイッチング電源に広
く使わるものである。2ピンを電圧のフィードバック端子(Error端子)として使うのが一般的で、この電源もそうなって
いることを現物をリバースエンジニアリングして確認した。
https://aliot.com.ua/pdf/tsm103.pdf

この仕様書からピンアサインの図を拾うと、このとおりである。

写真:TSM103.jpg


3,改造の具体的な方法と結果

現物では、出力電圧端子から抵抗2つを介して、2ピンに制御電圧が加わっており、この抵抗を小さくすれば出力
電圧が下げられるはずで、試しに、2-8ピン間に220KΩを並列に入れてみたら電圧が1V程下がったので、最終的に
は62KΩを使ったら、13.47Vがこの写真のように得られた。目標の13.6Vに僅かに不足だが、68KΩでは高過ぎ、56
KΩでは低くなり過ぎるので、62KΩで妥協した。62kΩ 1/6Wは熱収縮チューブで保護し、写真のように半田付けした。

写真:13.47V.jpg


このようにほぼ狙い目どおりに仕上げることができ、これで、25W送信も可能になった。今回は極めて短時間で作業
が完了した。ノートPC用ACアダプターは何かと便利で、随分と小型に作られている割に電流が流せる。CPU消費電
力の多かったプレスコットの時代のものが、ハードオフやオークション等で各種、安価に売られており、ちょっと知識
のあるジャンカーなら、あれこれと活用できてしまうことになる。


4,ACアダプターの活用あれこれ

私はノートPC用ACアダプターを改造して、車バッテリーの充電器にしたり、デサルフェーターにしたり、今回のように
無線機の電源にしたりしている。このHPのものはケースがネジ止めであったので、基板を取り出すのが容易であっ
たし、制御ICも仕様書がネット上にあり、改造は簡単にできてしまった。18.5V DCを得るための整流がダイオードで
はなく、FETで行われていて、デサルフェーターへの改造を諦めたものだったが、無線機用電源にはバッチリだった。


NO.373 500円PCの復活とデサルフェーター 

NO.378 パソコン用ACアダプターを改造した車両用充電器の作製

NO.380 ノートPC用ACアダプターを改造して作るデサルフェーター(車のバッテリー延命装置)

 

尚、改造については、私は一切の責任を負うことはしないので、改造は全て
自己責任で行うこと。 改造には発煙、発火や感電死のリスクが伴うことをお
忘れなく。


ども、Dynaです。

 アマチュア無線の祭典「ハムフェア」に数年前に行って、「ここは学園祭だな!」と感じたのを思い出しました。
ブースを出している 地方クラブの方々が、毎年東京で集まり、そして大いに盛り上がっていたからです。
 当方はアマチュア無線の趣味はありませんが、兄貴が染まっていたので、CQ誌を当方も見ては楽しんでいました。
電子産業が 盛んな田舎だったため、部品の調達は難しくは無かったのですが、先立つものが無くて・・・・・。
 信州でも、このあたりはTRIO発祥の地でもあったため、受信機9R-59D、 送信機TX-88Dに憧れたものです。
 (カッコよくて・・・・。)
 しかし、現実はお金が無いのでほとんどの機器は手作りしました。もちろんアルミなんて高価な金属は使えません。
近所の工場 から不要な薄い鉄板を頂き、シャーシやケースはカナノコやヤスリで加工し、コイルは手で巻きました。
このころから近所で不要と なったTVやラジオをもらって来ては通信機・受信機・オーディオ機器の部品に使ったもの
です。(この頃からジャンク好きでした。【小学生?】)
 今、思い出しても楽しかったですね。あの頃は・・・・・。 
 機器のケースは鉄板なので、加工の際、なかなか開かないのです。(ハンドドリルなので) ネジ穴がやっと1つ開き、
2つ開いたと言っては、毎日騒いでいました。
 とても楽しかった送受信機作製ですが、兄貴が交信しているところは、あまり見た記憶がありません。面白いもの
ですね。
 さて、HPを活用したアマチュア無線愛好者さまへの支援方法はどうしたものでしょうか・・・。兄貴に聞いてみますね。
 (ご意見・ご要望等あれば、出来る限り対応しますのでメール下さい。)
 
                                    By Dyna

 

                                                          Dynaまでメール 

 

 

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