NO.235 By 状さん (H23.07.07)
地デジTVのLEDバックライト修理
もうバックライトはLEDの時代!それとも節電?
ども、Dynaです。
街路灯の節電が始まったせいか、LEDライトの売れ行きが快調のようですね。そして液晶TVや
液晶モニターのLED化も着々と進んでいるようです。と言う事は、バックライト修理も、間もなく冷
陰極管からLEDに変わるのも時間の問題かも知れませんね。あの、割ってしまう緊張感から開放
されるのなら当方も大歓迎です。
バックライトLEDと言えば状さんですが、今回も地デジTVのLEDバックライト修理のレポートを
送ってくださいました。ペットボトルのランタンに続いてのレポートになります。そろそろ時代の
代わりを感じますね。では、早速、拝見しましょう。 By Dyna メール
<<地デジTVのLEDバックライト修理>> By 状さん
状 です。LEDバックライトの修理記事が出来ましたので、ご報告させていただきます。
1 はじめに
アナログ停波目前に、いまだ問題が山積している地デジ。
一応、ウチでもチューナだけ買ってはみたのですが、接続もせずに、アナログの
まま放ったらかしです。
が、とうとう7月です。
メンド臭いなー、などと思いながらヤフオクをボーッと眺めていますと、ひとつの
ジャンク品が目に止まりました。
2 製品をゲット
nexxionのWS-TV1310SKBという地デジTVで、バックライト切れとのこと。
13.3インチと小型ではありますが、ACアダプタとリモコンが付属していて3800円。
私一人が入札、そして落札。
[[イマドキ、ブルーのスケルトンが泣かせます]]
3 症状確認
到着後、電源を入れてみると、ヤフオクの説明通りバックライトは点灯しないものの、
画像自体はうっすらと出ています。さっそくバラして、液晶パネルを取り出してみました。
[[液晶パネル LP133WX2(LG.Philips)]]
ところが・・・。
「あれ? 冷陰極管のコードがない・・・インバータ基板らしきものもない・・・」
おなじみの(?)、パネルの隅から出ているパステルカラーのフニャフニャコードが
ありません。何やらエラく小さい基板も出てきましたが、トランスが載っていません。
4 原因追求
データシートをダウンロードしてみたら、何とLEDバックライト。
小さい基板は、LEDを駆動するための基板のようです。
[[なんか、こんな基板が出てきました]]
液晶パネルのデータシートには、「9LEDs X 6strings」と書いてあります。
9個直列のLEDを、6系統搭載、ということでしょう。計54個。
LEDの駆動電圧は、27.9V(標準)〜30.6V(最大)。
LED駆動基板の方を疑って、まず回路図に展開してみました。
駆動基板には、12Vの電源電圧が印加されていますが、現状では出力も12Vです。
電源電圧がインダクタを通して、そのまま出力されている印象です。もちろん、12V
ではLEDは点灯しません。
また、基板にはICが1個だけ載っているのですが、なぜか表面が削り取られていて
型番が判りません。テキトーにデータシートを10個ほどダウンロード、IC周りの
パーツ配置から推測して、AMC3202(ADD Microtech)であると判断しました。
5 修理開始
しかし、このICを扱っている店がなさそうです。
秋月を探した所、NJM2360(新日本無線)という、似たような回路構成のICを
見つけました。データシートのアプリケーション通りに基板を作ってつないでみた所、
めでたく点灯! やはり、元の基板のICが逝ってたようです。
[[ダイオードとインダクタは、鈴商で購入]]
かなり明るいバックライトです。
輝度を調整するために、元の基板を参考に回路を変更し、メイン基板と接続して
みたのですが、うまく動作してくれないので、半固定抵抗で調整することにしました。
また、NJM2360にはイネーブル端子がないので、メイン基板からのON/OFF制御が
できません。ACアダプタをつないでいる限り、バックライトは常に点灯しっ放しです。
6 おわりに
元の基板の、ICの型番が削り取られてあったのは、メーカ側で始めから故障
しやすいのが判っていたからなのでしょうか?
ともあれ、簡単な基板を作って差し替えるだけでしたし、冷陰極管なモニタの
修理に比べると、格段にラクな作業でした。
画面は小さいのですが、さすがは地デジ、クリアな映像です。
これを書いている現在でさえ、30インチのTVが3万円台ですから、今後それらが
ジャンクとなって、ドンドン安く出てくるでしょう。それまでは、これで十分です。
7 おまけ
さらに、割れた液晶パネルを落札しました。100円!!
分解してみましょう。
[[B089AW01(AU OPTRONICS CORPORATION)]]
LEDむき出しだと、直視できません。
デジカメが勝手に露出を下げてしまいます。
先日作った蛍光管ランタンなどとは比較にならない明るさです。
このまま、ちょっとした照明として使えてしまいそうです。
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製品の改造を行いますと、保障が無くなるだけでなく、火災等が発生する可能性が
あります。よって、修理や改造はあくまでも、個人責任でお願いします。
LEDバックライトは、冷陰極管や専用インバーターほどには高電圧ではありません。
しかし、どんな事故が発生するかは分かりませんので、ご注意ください。 By Dyna
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ども、Dynaです。レポートありがとうございました。
当方、LEDバックライトでも、連続して均一な光が出ているものと、思い込んでいました。しかし、当レ
ポートを拝見して、あくまでもLEDが連結しているのですね(ツブツブ状態)、改めて理解しました。そして
この部品形状を見ていると、やはり冷陰極管よりも、LEDの方がいろいろな面で有利ですね。納得しまし
た。ただ、逆にLED発光体そのものの故障よりも、インバーターというか、基盤側の故障が多くなる気が
します。そうすると、状さんのように、基盤というか、配線の知識が必要になりますね。ここに記載されて
いる回路が一般的なら、何とか頑張れそうな気がしますが、果たして、どうなることでしょうか。
いずれにしても、ジャンクなLED式液晶モニターなどが、出回って来たらチャレンジしたいと思います。
Wタイプの21型等がお安く出てきたら、やって見たいですね。とても、参考になる情報ありがとうござい
ました。また、お願いします。
By Dyna メール