NO.233 By 状さん (H23.06.19)
ペットボトルランタンの製作
夏の電気使用制限に備えろ?
ども、Dynaです。
間もなく7月ですね。ということは、いよいよこの夏の電力使用について
正念場を迎えます。経済産業省は、電気事業法第27条により、東京電力
と東北電力の管内で、夏期の電力需給対策として、7月1日から電気の使
用制限を実施するとのことです。電力500kW以上の大口需要家は、前年
比で15%削減を実施しなければいけないようです。出来ないと罰則もある
厳しいものです。
ということで、大口需要家でない我々も何かしないといけませんね。すでに対策を行っている方も多いと
思います。当方も、有効な節電対策として、電気温水便座の電源やお風呂などの電源をOFFするように
しています。それ以外にも、LED等の照明機器や自己発電装置の付いたラジオを準備したりしています。
そんな時、LEDバックライトで有名な状さんから、ペットボトルランタン自作のレポートをいただきました。
ご本人の弁によると、「LED全盛時に蛍光灯?と思いますが?」でしたが、節電できれば何でもOK、自
作精神は素晴らしいということで、掲示させていだたきます。ありがとうございます。
楽しみですね。 By Dyna メール
ペットボトルランタンの製作 By 状さん
1 はじめに
以前LEDのバックライト化報告をさせていただきました状 です。
今回の災害で、お亡くなりになられた方々のご冥福を、謹んでお祈り致します。
また、被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げます。
それにしても、色々と、非常に深刻な事態となってしまいました。
私は東京に住んでいますが、地震が起きた晩には、日頃の備えを怠っていた
ため、LEDな懐中電灯ひとつで、片手でインスタントラーメンを作って、片手で
食べるハメになりました。その後、輪番停電も終わりましたが、これから夏を
迎えるにあたって、まだまだ予断を許しません。
被災された方々を思えば、ちょっとした停電くらい、どうという事ではありませんが、
片手で懐中電灯を持ちながらラーメンを食べるのもシンドいので、ランタンを
作ってみました。
ケースには、入手性や扱いやすさを考えて、ペットボトルを使います。また、
光源には100円ショップの電球型蛍光灯をバラして、蛍光管のみを使います。
電源には電池を4本、6Vでの駆動になります。
2 大切なお知らせ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!インバータ基板は高電圧を出力します!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!くれぐれも感電に注意して下さい!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!また、製作は自己責任にてお願いします!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
3 回 路
●コレクタ共振型
ジャンク的に「電池で蛍光管を点灯させる」と一口で言っても、使い捨てカメラの
ストロボ基板を流用するものや、電源トランスを使って昇圧させるものなど、
いくつかやり方があるようです。
今回は、ウチのジャンク箱にバックライト用のインバータ基板がいくつか
転がっていたので、この基板から必要なパーツを取り外して使いました。
秋葉原でも、こまごましたジャンクパーツを扱う店が減ってきている気も
しますが、まだそれほど入手困難なものでもないので、再現性はそこそこ
あると思います。
インバータ基板を選ぶにあたっては、ノートPC用、液晶モニタ用、いずれも
OKなのですが、今回は、出力段が「コレクタ共振型」のものを選んで下さい。
とは言っても、ほとんどがこの方式だと思いますので、あまり迷う事は無いでしょう。
4 材料の入手
●インバータ基板の選び方
選ぶ上での条件としては・・・
・ トランスのピン数が7ピン以上あること
・ トランスの近辺に、比較的大きめのインダクタ(コイル)とコンデンサが
実装されていること
・ トランスの近辺に、同じトランジスタが2個実装されていること
といった所でしょうか。どうにもアバウトですが・・・。
これら出力段のパーツだけを取り外し、ユニバーサル基板上に再構成します。
トランス内部でどのようにコイルが巻かれているかについては、回路図を参考に
テスタで導通を見る、またインバータ基板のパターンをたどるなどして見極めて
下さい。トランジスタとの接続をよく見ていけば、何とかなると思います。
トランスによっては、実装強度を高めるための、ダミーのピンが付いている事も
あります。
5 分 解
縁にニッパで切り込みを入れ、ソケットを取りはずします。
(ソケットの組み付けは、メーカによって差異があります)
内蔵されている基板を取り出すために、プラスチック部分を、ヒビが入らない
ように、ニッパで少しずつ砕いていきます。プラスチック部分は、後で固定用の
穴を開けるので、なるべく多く残すようにして下さい。
基板を取り出し、蛍光管につながる4本の線を切ります。
(取り出した基板は使用しません)
ペットボトル上部のカーブに合わせて、さらに削り込んで形を整えます。
取り付け用の穴を開け、蛍光管の端子はよじっておきます。
6 組み立て
●組み立て
インバータ基板から必要なパーツを外したら、ユニバーサル基板を使って、
回路図の通りに実装します。パーツの型番については、入手したインバータ
基板によって異なるので回路図中には記していません。
回路図中の赤い矢印の端子は、逆に接続すると動作しないばかりか、発熱する
ことがあります。基板が完成し、テスト段階で蛍光管が点灯しない場合には、
直ちに電源を切って下さい。元のインバータ基板のパターンとよく見比べて、
正しく配線し直して下さい。
めでたく蛍光管が点灯したら、角形の500mLペットボトルに仕込みます。
写真の黒線の通りにカッターで切り込みを入れます。飲み口の部分は堅いので、
糸ノコを使います。基板と蛍光管を束線バンドで固定し、キャップを閉めて完成。
今回は単3電池を使いましたが、単1電池+1.5Lペットボトルという仕様にすれば、
より持続時間が長くなります。
長文となってしまいすみません。画像が役に立てたら幸いです。
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しつこいかもしれませんが、再度警告します。 By Dyna
インバーター関連機器には高圧がかかります。
くれぐれも、扱いには注意してください。そして、あくまでも自己責任でお願いします。
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ども、Dynaです。レポートありがとうございました。
乾電池で蛍光灯を点ける記事は、かなり昔にも見たことがありました。しかし、小型の蛍光管が入手でき
なかったので、チャレンジしたことはありません。でも、今は良いですね。100円ショップに電球型のもの
が売られていますから。ジャンクのインバーターを利用すれば、本当に格安で作成できますね。充電式の
電池を使用すれば、コストを考えなくても良いかも知れません。当時の記事にはコストを考えるとお薦め
出来ないことが書かれていましたが、そのチャレンジ精神には感動したことを覚えています。
しかし、コストを考えないといけない今日、十分に対応できると思います。本当に良い時代になりましたね。
さて、間もなく7月ですね。本当に乗り切れるのでしょうか。わが国を襲っている未曾有の試練に対し、
国民が一体となって挑まなければいけないのですね。皆さんも一緒に頑張りましょう。
By Dyna メール