NO.229    By モモパパん  (H23.03.03)

POS用端末P1-600-77-0NN)の修理
 

 ども、Dynaです。

 パソコンの修理については、いろいろ原因がありますが、当HPでは主にコンデンサーを扱っています。

あと、他にもというと、FETがあるでしょうか。しかし、情報量は少ないのが実態です。今般、モモパパさん

から、このFETの修理情報(原因特定情報)を送っていただきましたので、参考にさせていただきます。

ありがとうございました。また、POS用端末の利用方法も分かり、意外とそっちの情報も気になります。

では、拝見しましょう。  By Dyna   メール  



1 はじめに

こんばんは。無線LANで少し投稿いたしましたモモパパです。

ブログにも書いたのですが、POS用の中古パソコンを修理しましたので、レポートとしてお送りいたします。

FETの修理としては、役に立つ?のではと思います。

POS用端末の修理  < http://onodekita.sblo.jp/article/43541386.html >

 

 

2 購 入

(1)利 用

 昨年の12月末に格安(4,000円)でPOS用端末を購入しました。

2011022201.jpg

◆種類 タッチパネル対応 デスクトップPC(OS)
◆型番 P1-600-77-0NN
◆液晶 12.1型TFTタッチパネル搭載カラー液晶 最大解像度800x600
◆CPU Intel Mobile-Celeron 1.2GHz(Socket478)
◆メモリー 512M(DDR)
◆HDD 40GB(初期化済み)
◆光学ドライブ 薄型CD-ROMドライブ
◆OS WindowsXP(テストの為、そちらで再インストール願います。)
◆その他
USB x4内蔵 LAN内蔵
パラレルPort x 1
端末接続用シリアル x4
サウンド 内蔵 CFカードインタフェース
 

12/29の記事のようにレシートプリンタを取り付け、非常に快適に動作。

 

(2)故 障 1

 しかし、 1月の中旬にはHDDの故障のためブートできなくなりましたので、HDD交換をしました。

偶然同じSeagate の IDE HDDです。

 新品が左です。 随分と薄くなっているのおわかりでしょうか。

2011022202.jpg



 このIDEのHDDは、もう在庫がほとんどありません。Amazonで買おうとしても、結

構苦労します。(近所のパソコンショップで購入しま した)これだけで5000円程度。

・・・もう本体をオーバーしています。


 

(3)端末の利用方法


 このPOS用端末は、

  ・心電図

  ・検尿

  ・身長体重


 のデータ処理をしてくれる中核端末。このくらいの出費は全く惜しくありません。

 

(4)故 障 2


 それから半月後、診療中に電源が急に落ちてしまい、その後全く反応しなくなり

ました。診療中でしたので、急遽バックアップパソコンに変更。結構冷や汗ものです。

 

 

3 修 理

(1)パーツ構成

 さて、このPOS用端末は、

 ・タッチ式の液晶パネル

 ・液晶パネルの裏にあるマザーボード

 ・スイッチ、オーディオ関係のパネル

 ・RS-232C, LANなどのインターフェース基盤
   と分散して配置されています。

2011022209.jpg

 

・オーディオパネル

2011022213.jpg



・インターフェース基盤

2011022210.jpg


 

(2)原因追求1


 まず、電源関係であることを確かめるために、別のパソコンの電源

・マザーボードに接続。

上記のスイッチパネルとHDDを接続して、電源を入れてみましたとこ

ろ、何事もなく起動しました。やはり、電源が故障していると思われます。



 この組み込み式の電源は写真のとおりです。

2011022203.jpg
 

 

(3)電源の購入


 特殊な大きさなので、なかなか国内の取り扱いがありません。いろいろ調べてみ

ましたら、 ATX FLEX電源という規格で、ある程度は流通しているようです。



 早速、AMAZONに発注。日曜日に頼みましたら、月曜日に届きました。

2011022205.jpg



2011022206.jpg

 

2011022207.jpg


見比べましても、全く同じ大きさです。(ねじ穴も)

 

(4)電源交換

 これは楽勝。と全部組み立てましたところ、やはり電源が入らず。

????


 どうやら、どこかに間違いがあるようです。

 再度分解して、電源を抜いていきましたところ、、、

インターフェース基盤に電源を差し込むと、起動しなくなることがわかりまし

た。どうやら、この基盤がおかしいようです。

 

(5)原因追求2

 電源端子にテスターを当ててみますと、12V - GND間の絶縁がほとんどありません。

おそらく、この短絡で電源の保護回路が働いているのでしょう。

ざっと見渡しましたところ、電解コンデンサーがアヤシイと左側のコンデンサー

を引き抜いて、絶縁を確かめましたが、異常なし。

 さて、困りました。。。



 あとは、

  ・チップコンデンサー、

  ・左側のFET


 くらいしかありません。しかし、この判断はいったいどうするのか。。

 FET 故障 判断で検索。下記のページにあたりました。

 http://dry-room.net/other/fet/



 MOS-FETは、

   一番左が ゲート

   真ん中が ドレイン

   右が    ソース


 の用です。ドレイン、ソース間に抵抗が全くありません。

では、ソースを外してみましょう。

2011022211.jpg
 

 

(6)原因判明

 みごと、絶縁が回復しました。このFETが故障したと考えて良さそうです。

さて、この回路は、

コイル、FET、コンデンサー


が組み合わさっており、最終的にはロールプリンタの電源(24V)となっています。

供給電圧は、12Vですから、昇圧回路と思われます。

http://www.riric.jp/electronics/design/power/up-convert.html

を参照。

 

 

4 結 論

 このロール紙プリンタは、最高40W程度消費します。とすれば、印刷の最中に

FETが焼損してしまったと考えると全てのつじつまはあう。一 番右端の大きな電

解コンデンサーも昇圧回路の一員でしょう。無くしたとしても、インターフェー

ス基盤の機能には何ら問題ないはず。で、外しま した。


2011022212.jpg

   (写真、右側のFETとコンデンサーを外しました)By Dyna追記


借り組みして、OK。修理が完了しました。

・・なお、もともとの電源を使いました。(新規の電源は必要なかったわけ。)

まとめますと・・・

 移植のつもりだったが、部分切除で回復でしょうか。

 



追伸:1

この電源の短絡から、

FETの故障を見つける手技は、結構使えそうな気がします。

 

追伸:2

 参考で、POS画面を送っていただきました。タッチパネルは操作がしやすいようです。

 

!!!注意!!!

 個人で、改造・修理をすると、保証が無くなります。また、火災等の原因になる可能性があります。

当記事は改造・修理を保証するものではありません。いかなる理由があっても、実施される場合は、

自己責任でお願いします。By Dyna

 


 ども、Dynaです。レポートありがとうございました。

なるほど、FETへの特定方法、よく考えればそのとおりですよね。当方の過去の事例を確認しましたが、

しっかり、FETが壊れていると想定しての作業を行っていました。特定しての作業では無いですね。

ということは、確かに、いろいろな故障時の原因追及方法に使えるかと思います。また、そのような時

が来ましたら、活用させていただきます。情報ありがとうございました。 By Dyna

 

 

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