NO.200
SIGMA70−300mm望遠マクロの修理

By Dyna(H21.12.20)

 ども、Dynaです。第6回ジャンクデジカメ大撮影会はいかがだったでしょうか。おかげさまで良い成績をとれましたが

その影で、主要レンズであるSIGAM70−300mmの望遠マクロレンズを壊ってしまいました。壊れたのに、なぜ成績

が良かったかですが、それは第一会場後に壊れたからです。移動中や以降の第2会場ではメロメロで、あらためてス

ペアの必要性を感じました。そこでというわけではないですが、打ち上げの帰りに早速にっしんカメラのジャンク館で、

ミノルタの望遠マクロを購入したのですが、いまだに納得できる状態にはなっていません。難しいですね。まあ、それ

とは別にこのSIGMAレンズの修理に挑戦して、概ね直りましたので報告します。


1 故障の状態

 これが、SIGMAの70−300mm望遠マクロです。故障の状況は変なギア音がして上手く動きません。当然ピントも

合いません。そこで考えたのが「手動で合わせてしまえ」ということでした。何となく出来そうな感じがしたので、現地で

強引にやってしまったのです。ある位置では強引にできたのですが、どうやらそれがいけなかったようです。強引に

ギアを動かしたので、「グキ・ガキ!」的な音がして、傷らしきものを作ってしまった感じがしました。現場であせるのは

分かりますが、自転車のパンクと同じで、パンクしたらそのまま大事に回収しないと、修理が出来なくなるようです。

レンズも同じで、壊れたら無理に動かさないで、しっかり修理しましょう。

 

2 分 解

 まずは、分解ですね。ネジらしきものは4種類あります。一番外側の赤が4個、内側の水色が3個、電子接点の

緑色が2個はネジです。最後に黄色のネジらしきもの (注1)が1個ありますが、これは別物ですので、今は手をつけません。

(注1):後に情報が入りました。

 一見、赤いネジから手を付けたくなります。当方もそうでした。しかし、実際は違い、まず緑色の2個を外し、接点と

ケーブルを開放します。

 

 

 次に、内側の水色の3個を外します。

 

 すると、内側の筒が取れますので、引き出しましょう。

 

 

 この後に、外側の赤いネジを取って、アダプタリングを取ります。実は、この逆を行うとケーブルを傷つける可能性

ありますので、この順番が良いと思います。

  

 後ろ玉が良く見えますね。それより、ギアの異常は何が原因なんでしょうか?

 

3 修 理 ?

 

 何やら、黄色のネジみたい物が変です。ネジのようですが締まっていません。ゆるゆるで遊んでいます。遊び車でしょ

うか?締めようかと思ったのですが、どうも変です。ということで、この辺のゆとりの無さがギアの異常を招いたかも?

ということで、ここにグリスを塗りましょう。と言いたいのですが、グリスがありません。仕方ないので、CRC-556をつけて

見ました(←CRCは絶対にやめましょう。詳細は後に記載があります。)

 

 

 とりあえず、ほかに対応の方法が分からないので、このまま、ギアらしいところにすべてCRC-556をつけて様子を見る

ことにしました。(←CRCは絶対にやめましょう。詳細は後に記載があります。)

注2:CRCは言語道断のようです。詳細は後に記載します。

 

4 清 掃

 

 後ろ玉は、意外なくらい簡単に外れました。ゴム手袋とか、ゴムの指サックがあると楽のようですが、当方は素手で取れて

しまいました。

 

 清掃には、台所の中性洗剤が一番です。ぴかぴかになります。

 

あとは、順番に戻して行きます。

 

5 試験撮影

 完成です。早速、本体に付けて出かけましょう。秋本番ですから。お山へと・・・・。

 蜘蛛の糸が見えますか?

 

 良くしたもので、しっかり直ってしまいました。結論的に言うと「ギアのグリス切れ」でした。偶然だったかも知れませんが。

しかし、強引に手動で動かした関係でしょうか。ある位置に行くとギア音がおかしく、やや不安定になります。

やはり、強引に動かしてはイケマセンネ。きっと傷が付いてしまったのかも。

 

まあ、使えるようになったので、めでたし!めでたし!でした。(修理といえるのか?)

 

 おまけ

折角なので、前玉の外し方を掲示しますね。

  

 実は、簡単なんです。レンズの先端部分がネジになっており、筒を持って、いっきに先のレンズ部を回すと取れます。

勿論、反時計回りです。よろしく!

 

中玉の外し方は、ここに掲示されていました。しかし、難しそうなのでチャレンジは次回にしますね。

 

 


 ども、Dynaです。

修理のレポートを書くつもりでしたが、あまり中身が無い感じです。まあ、せっかくなので、レンズの分解方法と思って

ください。それから、グリスをさせば動くようになることもあるということも情報には変わりないですね。

 撮影会のトラブル教訓は大きくて、その後望遠マクロをもう一台ゲットしようと、にっしんカメラのジャンク館でいろいろ

あさったのですが、どうもうまく行きません。1個目はかびだらけに加えて、かびの清掃をしても、完全に綺麗にはならな

かったのです。それから中玉までの分解が出来ないのです。そこで、もう1台買って2個1にしようとしたら、レンズの径が

合わないで、ジャンクレンズが2台になってしまいました。トホホ状態です。がんばります。! 

 Dynaまでメール  

 


@メールが来ました。(H21.12.27)

初めまして。

 貴HPのレンズ修理のページを拝見しました。写真にある、遊びのできているあの(ネジっぽい)ギアこそα系レンズ標準

のAFカプラーというものです。キヤノン・ニコン等とは違い、ミノルタ・ソニーαはペンタックス同様に本体内部のモーター

回転をレンズに伝え、AFヘリコイドを回しています。恐らく、無理に(マクロレンズと称して)前玉に重たいものを連結させ

て、負担が増えた結果、内部のどれかのギアの歯を痛ませてしまったのでしょうね。シグマの廉価レンズはギアが壊れや

すいらしいので。後玉分解で原因がつかめなかったということは、AF動作用ヘリコイド部分(恐らく前玉付近)のギア

おかしくなってしまっていると思います。部品交換以外に修理は不可能と思います。

→メールいただきました。ありがとうございます。

 前玉に加工したクローズアップレンズを付けたことが負荷になったということでしょうか。まったく、考えてもいませんでした。

 この場合、オートでは使えないので、マニュアルで行っていましたが、やはり負荷がかかるのですね。 By Dyna

 

 あと、光学機器にCRC-556は論外です。劣化・酸化したときにはOHをしないと取り返しの付かない事態(ギアの

負担も逆に増える)になりますし、溶剤が樹脂も侵すので自ら壊しているようなものです。揮発した溶剤類もレ

ンズの曇りの大きな原因です。

→そうなんですか、無知ではずかしいです。勿論、スプレーしたのではなく、液体を直接付けたのですが、レンズの曇りの

 原因になるとは冷や汗ものですね。HPには早急に訂正を入れます。実物の方はふき取るなどして、早急にグリスに変

 えるよう、対応します。By Dyna

 

<<< 以下、要約文にさせていただきます。>>>

@カメラの改造等はジャンクPCの改造とは違い大まかやルーズというものが通用しません。下手すると、新品で購入され

 たα200も壊しかねません。

A本当のカメラ(特に一眼レフ)所有者は、何よりもまずレンズを大切にします。

B「ジャンクだから」と粗雑に扱う一眼レフ初心者の方が増えることに、写真を長いことやっている身としては、非常に悲し

 いです。 以上、匿名さん

→大変失礼しました。確かに、PCからすると、大変ナーバスな世界だと感じております。大量生産によって安価なPCが増

 える中、高級一眼デジカメや専用レンズの安い製品が出てこない理由が分かる気がします。正直、ジャンクなので、安心

 してチャレンジしてしまったのは確かですが、難しさはPCとは桁外れだと感じております。幼少期より某光学メーカーの工

 場に勤める親や親族に囲まれて育ったので、レンズが遊び道具でした。アルバイトもしたことがあり、レンズを磨くプロセ

 スや、職人さん達の切磋琢磨を実際に見ております。こんな環境に半世紀近くも暮らしていますので、レンズを蔑ろにす

 るつもりはありません。しかし、高額すぎて手が出せなかった世界に手が出せたため、舞い上がってしまったのは、事実

 です。

  今後は、引き続きレンズ・カメラを愛すると共に、さらに知識を高めるなど精進します。 Dynaまでメール  


Aメールが来ました。(H21.12.28)

望遠マクロの修理の訂正分を拝見しました。ちょっと気になったので、メールいたします。

CRC556ですが、便利なようですが、けっこう問題があると思っています。

ネットで検索すると、否定的な話が多いです。とくに、ABS樹脂系を劣化させるのは有名です。

ですので、安い同様のものでしたらエステーのWD40をお勧めします。

私は、数十年前から、WD40を使っています。そのころは、宝山から発売されていました。

CRC556は、なんに限らず使わないほうがいいと思います。 
Kさん

情報ありがとうございます。早速、近くのキタムラに行って、話を聞いてきました。はやりCRCはレンズのボディーを

 傷つけるようです。実際どんなグリスを使ったら良いかも聞いたのですが、グリスにもプラスチックやゴムを溶かして

 しまうものがあるそうで、出来ればメーカーの修理に出してほしいとのことでした。一応、東急ハンズにも行って見た

 ところ、沢山のグリスがありました。プラスチックやゴムが溶けないものとしては、シリコン系のグリスがありましたが、

 お店の方のお話では、カメラのレンズに付けて良いかは、分かりませんとのことでした。

  そこで、インターネットで調べてみたところ、数は多くないものの、いくつか専門のグリスを発見。ヤフーオークション

 でも、専門に出されており、この辺を購入するのが良しと思いました。By Dyna  Dynaまでメール  
 


Bメールが来ました。(H21.12.29)

 長文のお叱りが来ました。しかし、掲示をご希望されないので、Dynaの考えを書きます。

カメラやレンズの知識が無いのに、このようなHPを公開したこと。それによって、大切なカメラやレンズ等を粗雑に扱う

方が増えることに対しては、反省するとともにこの場を使ってお知らせさせていただきます。

 教えていただいた、カメラやレンズ等を愛好するサイト JFC:ネットでの日本最大のカメラマニアの集合体 

参考にさせていただきながら、勉強させていただきます。 By Dyna  Dynaまでメール  


Cメールが来ました。(H21.12.31)

 こんにちは、秋葉原ジャンクパラダイスを拝見させて頂いておりますmaimaiと申します。

『SIGMA望遠マクロの修理』の記事を拝見しました。当方でも、このようなSIGMA製レンズに遭遇し、どうにか対処でき

ましたのでメール致ししました。

 ジャンクで購入したペンタックスSFXに付いていたSIGMA製35-70mmは、AFが1m前後のところで引っ掛りスムーズに

動作せず、近距離ではフォーカスが合わないレンズでした。ペンタックスもミノルタ系と同様にボディー側に駆動部があ

るので、ギヤ油切れもしくはゴミを噛んでいる?と思い、分解,清掃をしましたが、やはり引っ掛ります。フォーカスシング

の確認は、ボディー側の駆動部に負荷を掛けたくないので、マイナスドライバー状に削った竹串(団子を食べた後の廃品

利用)で回しました。

 正常動作品のレンズも含め、問題品もいろいろ眺めているうちに、
『AFカプラー』の遊びが意外に大きいことに気づき、

マウント金具と『AFカプラー』のクリアランスの問題では?と思い、マウント金具を締め付ける時に、『AFカプラー』を竹串

ドライバーで回し確認しながらネジを締め付けてていきました。その結果、直りました。今までの引っ掛りがなくなりました。


 単純に、加工精度が悪いのでしょうか?それとも元々クリアランスを確認しながら取り付けるものなのでしょうか?、

詳細はわかりませんが、フォーカスがスムーズに動くようになり現役復活です。

 Dyna様がまとめられているように、
カメラ,レンズ修理は素人では難しい所があると思います。

しかしカビカビレンズやクラカメは『部品の関係で修理不可能です』か『修理するより買った方が安いんじゃないですか』

になってしまうんでしょうね。そのままだったらゴミになってしまいますが、細心の注意を払ってレストアするのも有りと思

います。もちろんレストア品は初期の性能より劣るとは思いますが、知ってて使えばそれも味ではないでしょうか。

年末のお忙しい時に長文メール申し訳ありませんでした。良いお年をお迎えください。

情報ありがとうございました。なるほど、AFカプラーの遊びですか。実は、当方も最初に気になったのは、この遊びの

 大きさです。最初は、「何だ!ネジがゆるんでいるだけではないか!」と思ったのです。しかし、その後、いや違うとまで

 は分かったのですが、どうして良いのか分かりませんでした。しかし、とても遊びの大きさは気になっていました。「こん

 な精密な機器なのに、こんなにブレルものだろうか?」と。

  これから、帰省しますので、チャレンジは来年上京してきてからやってみます。手になじんでしまったレンズなので、

 是非とも直して、一生使ってあげようと思っています。(CRCは拭き取りました。汗) By Dyna


一眼レフカメラや専用レンズは超精密機器です。扱いはパソコン

の比ではありません。一歩間違えると取り返しのつかないことに

なります。ジャンクと言えども、最大の注意を払ってください。

そして愛情をそそいであげてください。魂がこもっていますので。

By Dyna

 

 

戻る