Socket A M/B 3枚 動作確認結果
By Nobさん(H21.06.22)
ども、Dynaです。
コンデンサー交換などで、たくさんの情報を寄せていただいているNobさんから、動かなくなったMB3枚の確認
レポートを送っていただきました。これは、最初「教えてくださいNO191」に掲示されていたものですが、上手くい
かなかったため、無償ジャンクプレゼントNO268に提供されたものです。当選されたNobさんは、どちらかというと
これら3枚のMBについて、解析をすることを目的に応募し、当選後、見事に原因を突き止められたようです。
それでは、早速拝見しましょう。 メール By Dyna
Socket A M/B 3枚 動作確認結果
1.はじめに
「私のお宝(ジャンク)無償で譲りますNo.268」でJunker50'sさんから頂いたAthlon2500+、2800+で動作しなかったと
いうM/Bの3枚について検証する。
★No.191 教えて下さい。情報下さい。H21/04/12
http://akipara2.sakura.ne.jp/new_page_95c.htm
2.M/B その1
2−1.概要
図1-1 図1-2 図1-3
【メーカー】Elitegroup Computer Systems(ECS)
【型番】K7S5A Ver.? [図1-1]
M/Bに「3」のシールが貼ってある[図1-2]が、これがバージョンを示すものか不明。
【メーカーHP】
http://www.ecsjpn.co.jp/products/socketa/k7s5a.htm
※対応CPUのFSBは200/266 MHz。
【CPUサポート】
http://www.ecs.com.tw/ECSWebSite/Support/CPU_Support_Model.aspx?detailid=192&Cat&MenuID=0&LanID=5
※PCB V1.1、V3.1、V3.1BにおいてAthlon2500+、2800+の動作報告なし。
【サウンドチップ】Avance Logic, Inc. ALC100P[図1-3]
【参考】「K7S5Aコンデンサ交換」
http://akipara2.sakura.ne.jp/new_page_409.htm
2−2.外観
図1-4
図1-5
コンデンサには「G・LUXON」が使用されているが、すべてに膨張・液漏れは認められない[図1-4]。
M/B裏側に傷[図1-5]があるが、パターン切断には至っていない様子。
2−3.動作確認
図1-6
CPU(Duron600)+CPUファン、メモリ、グラフィックカード、電源(Antec SP-500)で動作確認の結果、問題なし[図1-6]。
図1-7
BIOSをVer.10827から最終バージョンのVer.30811にアップデート[図1-7]。
WinXPをテストインストールし、サウンド
ドライバにはK7S5A Ver.1.1用の「SiS 7012 PCI オーディオドライバ」
を適用[図1-8]。なお、SiSのサイトには、ECSのv1.11より新しいオー
ディオドライバとしてv1.12dが掲載されている。
★SiS7012 Audio Driver (v1.12d)
http://www.sis.com/download/
図1-8
2−4.結論
Duron600により正常に起動し、問題は見られなかった。使用したAthlon2500+、2800+のFSBが333MHzであり、M/B
に対応していなかったことが不動原因と判断する。
★Fab51「AMD Athlon XP プロセッサのOPN [リスト]」
http://fab51.com/cpu/guide/opn-socketa.html
3.M/B その2
3−1.概要
図2-1
図2-2
【メーカー】GIGABYTE
【型番】GA-7VTXH REV.1.1 [図2-1、2-2]
【メーカーHP】
http://www.gigabyte.co.jp/Products/Motherboard/Products_Spec.aspx?ProductID=1312
【CPUサポート】
http://www.gigabyte.co.jp/Support/Motherboard/CPUSupport_List.aspx?ProductID=1312
※Bartonコア(FSB333MHz)のAthlon2500+、2800+はサポートしていないとなっている。
【参考】金太の小冒険「Giga GA-7VTXH (6)」
http://akebonotown.com/pc_GA7VTXH6.htm
※GA-7VTXHのコンデンサ不良は定番らしい。
3−2.外観
M/B裏側を見ると、フラックス残り[図2-3]があり、J50'sさんの前オーナーがCPUソケット脇の2本[図2-4]と、ゲーム
ポート付近の2本のコンデンサ[図2-5]を交換している。しかし、交換に使用したコンデンサは、ジャンクM/Bから引き
抜いたような、ありあわせの物を使用した感じで、CPUソケット脇2本のうち1本(OST 2200μF/16V)は若干 膨張して
いる。
また、交換に悪戦苦闘した様子で、スルーホール付近には傷があり、半田づけ状態もあまり良くない。メモリ
スロット脇では、製造時のままのCHOYO 2本のうち1本[図2-6赤枠]に液漏れが発生している。
CPUソケットのCPUファン取り付け用のツメの部分は、パターンのコーティングが剥がれている[図2-7]。
3−3.動作確認と修理
図2-8
K7S5Aと同様な構成で動作確認の結果、問題なし。BIOSは最終のF8a(Beta)になっている[図2-8]。
図2-9
図2-10
図2-11
コンデンサが膨張・液漏れしているので、交換を行った[図2-9〜2-11]。交換後、アルコールで半田のフラックスを
除去し、完了。
|
製造時 |
前オーナー |
今回 |
CPUソケット脇 |
CHOYO XG 3300μF/6.3V×2本(推定) |
OST XG 3300μF/6.3V 2200μF/16V |
SANYO WG 3300μF/6.3V ×2本 |
ゲームポート付近 |
GSC 1200μF/6.3V ×2本(推定) |
Rubycon YXG 2200μF/6.3V ×2本 |
← (再 半田づけ) |
メモリスロット脇 |
CHOYO XG 3300μF/6.3V×2本 |
← |
SANYO WG 3300μF/6.3V ×2本 |
3−4.結論
正常に起動し、問題は見られなかった。K7S5Aと同様に、Athlon2500+、2800+がM/Bに対応していなかったことが
不動原因と判断する。
4.M/B その3
4−1.概要
図3-1
【メーカー】MSI
【型番】K7N2 Delta-L (MS-6570) VER.1 [図3-1]
【メーカーHP】
http://www.msi-computer.co.jp/product/mb/K7N2Delta-L.html
【CPUサポート】
AMD Barton CPU対応表(SocketA)
http://www.msi-computer.co.jp/support/cpusupport/barton.htm
※BartonコアのAthlon2500+、2800+は対応している。
4−2.外観
今回のM/B 3枚のうち、もっとも状態が良く、傷、コンデンサの不具合、部品焼損による変色等は認められない。
4−3.動作確認
ATX 20ピンと12V4ピンに電源コネクタを接続し、同様に動作確認。PWスイッチを押すと、電源から「ジジッ」と異音
が発生し、電源は入らず、CPUファンも全く回転せず。CMOSクリア、FSBモード設定ジャンパーを確認しても状況は
同じ。CPUを外してPWスイッチを押すと、電源が入り、CPUファンも回転。これは、J50'sさんの報告と全く同じ状況。
電源から音が発生したことなど今まで一度もないことから、今回の動作確認で電源がダメージを受けた可能性が考
えられた。先に正常に動作したK7S5Aで電源を確認すると、PWスイッチを押すと電源が入り、CPUファンも回転する
が、BIOSが表示されない。CPUクーラ(アルミヒートシンク部)を触るとファンは回転しているのに、とんでもなく熱くなっ
ている。このDuron600を別のCPU(Duron850)に交換したところ正常に起動した。これより、K7N2 Delta-Lの動作チ
ェックにより電源は無事(に見える)だったが、Duron600が死亡してしまった。
4−4.結論
K7N2 Delta-Lは故障しており、このM/BにCPUを取り付けるとCPUが死亡することがある。
J50'sさんによると、「サーバー用200W(ATX20ピン)で12V4ピンコネクタを作製し、K7N2 Delta-Lに接続したら、この
電源が壊れた」ということなので、この時にM/Bも損傷した可能性がある。
以上、Junker50's様、Dyna様、ありがとうございました。充分楽しむことができました。
ども、Dynaです。
レポート、ご苦労様でした。3枚ものMBチェック大変だったと思います。当方も以前DuronのスリムPCを購入したことが
ありましたが、しっかりCPUは死んでいました。代わりのCPUを交換してみましたがだめで、どうやらMBそのものが逝って
いるようでした。不可だったCPUは通電すると物凄い熱さで、ほんの瞬間触っただけですが、指先に火傷を負ってしまい、
以後は条件反射的にDuronが嫌いになってしまいました。お粗末ですね。では、またお願いします。 メール By Dyna