NO.332                      By 埼玉の大沢さん  (2018.03.04)

   

 NEC Mate MY30A/E-4修理報告

 ども、Dynaです。

 当方のHPにある無償ジャンクプレゼントNO766で、「部品取り用NEC MY30A/E-4」をDynaからプレゼ

ントされた埼玉の大沢さんから、修理レポートをいただきました。ありがとうございます。

 いつもなら本当は動くものをジャンクとして提供しているのですが、今回は正真正銘のジャンクで、正直

「貰ってくれる方がいるのかな?」と迷ったのですが、スリムPCがたまり過ぎて困っていたので、放出した

次第です。

 放出する前から、電源が不可であるまでは分かっていたのですが、直すのも面倒だったので、もし、直し

ていただ ける方がいたら 是非とも修理方法が知りたかったので、レポートを頂いて感激しました。

 今回のレポートを拝見してみると、やはり当方より、かなりレベルの高いプロセスを経て直っていますので、

大変勉強になります。早速、拝見しましょう。

                                                         By Dyna   メール

 


NEC Mate MY30A/E-4修理報告

 

はじめに(Dyna)

 このPCは当方から無償ジャンクプレゼントされたものです。その時の資料をここに掲示します。

NO766 部品取り用NEC MY30A/E-4の無償提供Dynaからのプレゼント (2017.07.02)

 現在のCPUはCeleron430(1.8Ghz)、HDD80GB(SATA)、メモリPC2-5300が512MB*2入っています。

おそらくOK CPUは情報によるとE6850(3.0Ghz)、E6750(2.66Ghz)、E6550(2.33Ghz)、E6320(1.86Ghz)、

PentiumDCE2160(1.8Ghz)が使えるようですので、遊んでいるE2160を追加で1個付けます。

+メモリも1GBを2枚付けます。

 組み上げても動かないので過去資料を調べたら、電源が交換されていました。どうやらこの電源は×

ようです。

 あと、DVD-ROM(IDE)コネクタが別のPCに持って行かれているので、IDEケーブルは接続できていません。

しかし、SATAのコネクタが2つあるので、何とかなると思います。(DVDとHDD用ケーブルを2本付けます。)

 拡張ソケットはロープロPCIeが1、フルのPCIeが1、フルのPCIが1です。

部品取り用なのでケースに少しゆがみがあります。MBは使用できるか覚えていないので、ダメとしてください。

シールはXPです。  By Dyna

 

<<< 以下、埼玉の大沢さんのレポートです。 >>>



1、前書き

宅配便でパソコンが届きました。部品取りの予定でしたが、取りあえず、ケースを開けて

内部の確認をしました。

 

外れていたコネクタを接続しなおして、電源スイツチを押してみました。当然のごとく

電源が入りません。コネクタを全部外して、電源スイツチにつながるコネクタのみ接続

して、家にあった、ATX電源を持ってきて、コネクタに接続してみました。

電源スイッチを押したところ、電源の表示がつきました。


電源の不良か〜〜〜〜。

 

 

2、電源部の修理


電源装置をはずしてシゲシゲと確認。電源は、AcBel社製 型名AP14PC61でした。




写真は、CIMG0485


電源コネクタの電源ONとアースをショートしてみます。

電源装置のファンは回りません。

電圧を計ってみます。電圧は出ていません。

スタンバイの電圧も電圧も出ていません。

完全に壊れていますね。



WEB検索してみます。

オークションに出品も有りません。

修理の報告は、オークションで購入して交換するか

ATX電源を外付けにするしか有りませんでした。

このままだとゴミが増えるだけだね〜〜〜修理してみるか。

ネジを外して蓋を開けます。

 



写真は、CIMG0486 (基盤が上下に2枚あります。)

 

内部には2つの基盤があります。

上がスイッチング回路基盤、下がAC100ボルトの整流基盤のようです。



下の基盤は、AC100ボルトを整流してDC140ボルトを作る基盤で、ヒューズが有りました。

ヒューズを確認。断線してません。赤いリード線と黒いリード線が出てます。

電圧を確認、赤い方がプラス、黒い方がマイナスで140ボルト出ていました。

下は正常だね。

 

 

 次に、上のスイッチング回路基盤の確認です。


写真は、CIMG0487 (上下を変えました。)



スタンバイの電圧が出ていないので、ここから調査開始です。

回路図を描いてみました。



写真は、CIMG0483



TNY267PNというICチップが怪しい・・・    WEB検索実施。

メーカーから英語の説明書をダウンロード。

説明書を見ていたら子供が来たので「解る?」と聞いてみました。

ちらっち見て


「解るわけないでしょう、

 パパの常識と普通の人の常識が違いすぎるのだから」


と言われてしまいました。ハハハ(^^;;)。

まあね、英語だろうが、ロシア語だろうが、言葉はわからなくても

現物が有って回路図が有れば、電子回路は、ほぼ同じですからネ。

「見れば解るでしょ」と言うと同じ事を言われます。


後は、WEBで通販しているか検索。

少しだけでも通販しているところを見つけたので注文実施した。


通販の品物が届いたので、TNY267PNというICを交換。

 

ICは、やはりショートしてました。(緑の付箋部)


写真CIMG0487



および写真の奥にある抵抗が断線していたので交換。(ピンクの付箋)

この抵抗はヒューズ代わりなのでなるべく小さい物が良いのですが手持ちの物を使用

しました。 


写真CIMG0487



後は・・・と

ダイオードやトランジスタのショートを確認、異常なし。

修理が終わったので動作確認を実施。


電源コネクタの電源ONとアースをショートしてみます。

電源装置のファンが回りした。

 

 

3、マザーボードの修理

ここからは、マザーボードの修理です。


電源装置のコネクタをマザーボードに接続して、電源スイツチを押してみました。

電源ONの表示が点灯しましたが、バイオスの表示が出ません。

マザーボードを取り外し、コンデンサを確認しました。


写真CIMG0484の左下側(コンデンサー膨らみ)

マザーボートは、MSI社製 MS-7400 ver1.0で、VRMの部分のコンデンサが2本膨らんで

いましたので交換しました。(16V/1000マイクロファラド)

 





後、NEC Mateの立ち上がらない時は、ライザボートとメモリを挿しなおし

を することと、なっているので、挿しなおしを実施しました。


電源を入れたところ良好に立ち上がったので、WindowsXPをセットアツプしました。



写真CIMG0489



ども、Dynaです。

レポートありがとうございました。

折角なので、この機に当方も勉強したいので、以下について教えてください。
よろしくお願いします。

1、スタンバイ電源について
 ・スタンバイ電源とは配線図の左側の+−のことでしょうか。
2、IC「YNY267PN」について
 ・ショートしていたとどうして分かったのでしょうか。(事象は?)
3、抵抗について
 ・断線していた抵抗はどれでしょうか?
 ・どうして断線と分かりましたか?
  (テスターで測れば分かりますが、どのように推定してされたのでしょうか)
  ダイオード・コンデンサー・抵抗等について、テスターで不良を探す方法を
  当方は分からないので教えていただけたらと思います。


埼玉の大沢です。

>1、スタンバイ電源について
> ・スタンバイ電源とは配線図の左側の+−のことでしょうか。


電源コネクタのスタンバイです。
配線図の左側は、AC100Vを整流したDC140Vです。
配線図の右側が、スタンバイ電源(DC+5V)です。
電源コネクタからリード線をたどってきました。

>2、IC「YNY267PN」について
> ・ショートしていたとどうして分かったのでしょうか。(事象は?)


回路図を書いて、ICの英語のデーターシートをダウンロードして、
ICの出力(FETのドレイン出力、フェライトのトランスの一次巻線に行っているところ)と
ICのアース側をテスターの抵抗計で測り、テスターの赤黒のリード線を変えても
低抵抗のままでした。

ICが正常であれば、ICの製造でできるタイオードでショート状態となっても
リード線を変えれば違う抵抗値を示すはず。

ICの英語のデーターシートを見て(参考回路、ICの足ピン名称など)、
またWEBで公開されているATX電源の回路図など、普通の人は
解らないとおもいますヨ。
私は真空管の時代からの人間だから・・・経験則です。


>3、抵抗について
> ・断線していた抵抗はどれでしょうか?
> ・どうして断線と分かりましたか?
>  (テスターで測れば分かりますが、どのように推定してされたのでしょうか)


ピンクの付箋がついている抵抗です。もともと付いていた抵抗は、もっと細身の抵抗でした。
外見は抵抗の皮膜が、ほんの少しハゲていただけです。
テスターで測るとカラーコードは10オームですが無限大でした。


>  ダイオード・コンデンサー・抵抗等について、テスターで不良を探す方法を
>  当方は分からないので教えていただけたらと思います。


・電解コンデンサーは、外見を見て膨らんでいたらダメ、電源につないで漏れ電流を測り
判断します。これはスイッチング電源のコンデンサを除きます。
コンデンサの容量計で容量を測って判断ます、電解コンデンサの場合表示より
少なかったらダメ多い事が多いです、電解コンデンサーの寿命は、7年ぐらいです。
周りの環境の温度によります。

・次は半導体。
普通の壊れ方は、ショートかオープンモードで壊れます。
ショートモードの壊れ方は、テスターの抵抗計で端子と端子に赤と黒のリード線を
当て、リード線を交換しても低抵抗のままだったらショートしています。
無限大のままでしたらオーブンモードで故障しています。
上記はダイオードの場合です、トランジスタの場合もやり方は同じ方法です。
良品のダイオードやトランジスタと比較して判断します。

・MOS-FETの場合。
普通はショートモードで壊れるので上記の方法で調べますが、本当は評価回路を
作って調べるしかないでしょう。

・ICの場合
初期デジタルICの時には、原因は良く解らんがこの辺がおかしいと言ってニッパで
ICの足をバキバキ切ってICを交換し修理したという猛者がいたそうですが
今の時代は基盤ごと交換ですね。NECの修理に来るシステムエンジニアを
良くみてましたがチェンジニアしてました。

ICの場合(トランジスタ単品でも)時間が経つと何処にも在庫が無い場合が有ります。
その場合は普通は全体を廃棄となります。

もったいないオバケが出そうです。

埼玉の大沢

→メール&ご回答ありがとうございました。勉強します。 By Dyna


 ども、Dynaです。

 レポートありがとうございました。

 当方もこの手のPCを修理するとなると、電源部を入手して、そっくり入れ替えます。形状のそっくりな

NECPCは多数販売されているので、電源部の入手は可能なのですが、コストは意外と高く、別のPCが

買えてし まうケースも見られます。

 となると、電源部の修理となりますが、コンデンサー交換ならチャレンジ可能なものの、今回のケース

とな ると、正直原因の追究レベルで、当方的にはアウトですね。

 配線図を書くところまで9割位はできると思うのですが、ICが入ると、かなり難しいのが現状です。

 でも、配線図が書ければ修理できる可能性が高まるようで、たいへん勉強になりました。ありがとうご

ざ います。

 なお、お子様との会話は笑えました。というのも、当家でも同じ会話が何回もあったからです。ようは、

当方が「普通の人間でない!」とよく言われたのですが、皆さんも同じように言われているのですね。

安心しました・・・・。

                                                 By Dyna   メール

 


 

 

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