NO.208  By Nobさん (H22.04.11) 

光学ドライブ日立LG製マルチドライブ GSA-4163B の修理 

 ども、Dyanです。

  パソコンの部品は年々進歩しており、メモリの進化に代表されるように、HDDのSSD化など、モーターレスに拍車が

かかって来ています。しかし、FANやCDDドライブなど、まだまだモーターを使った製品は残っていますね。残念ながら

これらのモーターを使った製品の中には、ゴムベルトを使った製品があり、その製品の寿命は、そのゴムベルトの寿

命に左右されます。ということは、逆にそのゴムベルトを交換してあげれば再生できますので、以外に修理も簡単なは

ずです。今般、コンデンサー交換でお世話になっているNobさんから、ゴムベルト交換のレポートを送っていただきまし

たので、早速拝見しましょう。


光学ドライブの修理


1.はじめに

ジャンクパソコンを扱っていると、光学ドライブのトレイが出ない不具合に直面することが多々あると思います。

その不具合について、ネット情報のまとめと実際の対応例です。



2.ネット情報まとめ

【症状】

パソコン用光学ドライブのイジェクトボタンを押しても、モーター駆動音はするが、トレイが開かない。



【原因と対応策】



(1).トレイ駆動用のゴムベルトの不具合

<不具合箇所>トレイを開閉する駆動モーター⇔プーリー間のゴムベルト

 
 

<原因>

A.ゴムベルトの切断。

B.経年劣化によるゴムベルトの材質硬化、伸び、変形によるベルトスリップ。

C.ゴムベルトへの油分、摩耗粉の付着によるベルトスリップ。


<対応策>

A.Bはゴムベルト交換。

Cはアルコール等で油分や摩耗粉の除去、又はベルト摺動面を紙ヤスリで研摩。
 


(2).トレイガイドレールの不具合

<不具合箇所>トレイガイドレール

<原因>

D.ガイドレールに塗布してあるグリス硬化による摺動抵抗の増加。

E.ガイドレール部への異物噛み込み。

 


<対応策>

D.グリスアップ(樹脂部品にダメージを与えないグリス選定)。

E.異物除去。
 



3.対応例

【対象品】日立LG製マルチドライブ GSA-4163B (2005年製)

写真1

【症状】イジェクトボタンを押しても、時々、トレイが開かない。



【手順】

(1).トレイを開く

今回は運よくトレイが開いたが、開かない場合は、イジェクトホール(写真1)に細い針金やクリップなどを差し込んで、

強制的にトレイを開く。



(2).トレイ開口部よりゴムベルトの取り外し

ピンセットを使い、トレイ開口部(写真2)よりゴムベルト(写真3)を取り出す。機種によっては、光学ドライブの分解が

必要と思われる。

写真2 写真3



(3).ゴムベルトの清掃と取り付け

写真では分かりにくいが、角ゴムベルトに変形が発生しており、これが不具合原因と思われる。

応急処置として、アルコールでゴムベルト摺動面の摩耗粉の除去、そして変形しているベルトの上下面を反対にして

ピンセットで取り付け(ピンセット1本だと、取付けは少し難しい)。

とりあえずトレイが開くようになった。




(4).ゴムベルトの入手

根本的な解決にはゴムベルトの交換が必要。ゴムベルトはオークションや通販で入手可能。今回はDynaさんの協力により、

千石電商3号店で購入して頂いた(写真4)。

写真4



(詳細は「新・秋葉原お宝発見隊 第214回出動 H22.03.27(土)」を参照)

★千石電商オンラインショップ

(トップページより→商品分類→部品→ゴム製品→ベルト)

http://www.sengoku.co.jp/index.php

http://sengoku-akb.jugem.jp/?search=%A5%B4%A5%E0%A5%D9%A5%EB%A5%C8

http://www.sengoku.co.jp/JIKANandMAP.htm

※千石電商HPの角ゴムベルトのφは「内径」。


元の角ゴムベルトは変形しているため正確な寸法は分からないが、内径24×厚さ1.3mm程度。千石電商では厚さ1.3mmの

角ゴムベルトは無いので、厚さ1.2mmで内径22mmと同25mmの2種類を購入頂いた(写真5)。

写真5

 


(5).ゴムベルト交換

不具合品と購入品では厚さや径が微妙に異なるが、内径22×1.2mmに交換。厚さが0.1mm違うので、ゴムベルトとプーリー

の密着状態が不安であったが、ドライブ開閉確認を行ったところ、正常に開閉ができた。
 


4.その他

お宝発見隊ではゴムベルトの用途についてDynaさんが解説されている。今回、光学ドライブ用とは別に、留守番電話に内蔵

のマイクロカセットテープレコーダー用のゴムベルトも一緒に購入して頂いた。ゴムベルトが伸びたため、カセットテープが正

常に回転せずに留守電機能が使えなかった。当初、電話機メーカーからゴムベルトを購入しようとしたところ欠品。購入して

頂いたゴムベルトに交換したところテープは正常に回転し、録音できるようになった。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。


★昭和カセットデッキ研究所〜カセットデッキの交換用ベルト〜

http://showa-cassettedeck.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_b435.html


P.S.我が家の押入れにあるディスクシステムのゴムベルトも寿命かな?

★Another World〜ディスクシステム補完計画〜

http://www.dcn.ne.jp/~asuka/index.files/ds_hokan/disksystem.html


 



ども、Dynaです。

 レポートありがとうございました。当方が購入したときには、同じ売り場にレコードプレーヤー用と思える大きなゴムベルトが

ありました。当方は、その昔パイオニアのレコードプレーヤーを使用していましたが、数年するとベルトが伸びてしまい、再生

すると、音がフラフラしてしまうので、その対応に苦慮したことがあります。田舎でしたので簡単には購入できず。仕方無いので

伸びたゴムの一部を摘んで縛り、輪の長さを短くして使いました。しかし、ゴムの劣化は変わらないうえに、縛ったところに当た

ると回転数が変化し、音が変わってしまうため、すぐにやめました。なかなか代用品はなかったのです。

 もうひとつ、ゴムベルトと言えば、ビデオテープレコーダーも沢山のゴムベルトを使用していました。カセットデッキもDATデッキ

もそうです。そのため、オーディオ機器やビデオ機器の集合体だった当方のオーディオ・ビジュアルラックは、時が経つにつれて

動かなくなる製品で溢れました。勿論、修理すれば使えるのですが、やがて直しても、そんなに使わないことが明確になったため

修理をしないまま、やがてハードオフ行きとなりました。やはりゴムベルトを多用している機器は困り者ですね。

 By Dyna

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