NO.193 By Dyna (H21.09.01)
Dell SX270のコンデンサー交換
ども、Dynaです。
2009年8月25日発売、雑誌「エレキジャック」NO14 (CQ出版社編)のP134で紹介 されましたDell SX270のコンデ
ンサー交換について ですが、誌上だけでは分かりにくいと思いますので、ここに詳細を紹介します。
当方は、この機種でコンデンサー交換が3台目になります。実は、一時期製造されたPCの中に、どうやら粗悪なコンデ
ンサーが多く存在し、かなりの確率でコンデンサーがおかしくなるようです。おかげさまで格安に入手でき、修理も意外に
簡単なので、 結構おいしいかも知れません。特に、このSX270はその傾向が顕著で、秋葉原には4000〜5000円程度
でよく売られています。良く見ると「コンデンサー異常」と書かれていますので、すぐに分かります。対応方法はここで紹介
するものと、多分同じと思いますので興味のある方は自己責任でチャレンジしてみてください。 メール By Dyna
1 SX270の仕様
Dellでは2004年まで販売しており、CPUはP4の3.2、3.0、2.8GHzとCel2.4GHzが、出ていたようです。
当方のは、まーすけ隊員からエレキジャックの原稿ネタ用にいただいたもので、CPUはCel2.4GHzのものでした。
メモリスロットは2つあり、DDRのPC2700とPC3200が使え、最大2GBまで搭載可能のようです。
最大の特徴は、AC電源が特殊で、DELL専用の角型のコネクターになっています。PC-NETなどで¥2000程度で販売
されていますが、かなり特殊なのでACセットで販売されているものを購入された方が賢明でしょう。
あと、HDDはIDEの2.5インチが採用されており、小型を目指しているので仕方ありませんが、デスクトップPCとしては
特殊ですね。もうひとつ、モニター出力ですが、一般的なアナログ15Pでは無く、DVI出力になっています。これは、格安
の変換アダプタが売られていますので、それを入手すればアナログ15Pモニターが使えます。
2 SX270の分解方法(1)
この機種は大変良く出来ており、特段ネジを回さなくてもケースの分解はできます。裏側にある緑のボタンは上下に
動くのですが、そのボタンを押しながら親指でケースをずらすと簡単に開きます。しかし、緑のボタンが大変きついの
注意してください。HDDのケース側も同じ方法で空きます。
あと、CDDやFDD等のユニットもフロントにあるボタンで取り外しが簡単にできます。良く出来ていますね。
2 故障原因の確認
コンデンサーがパンクしますと、突然リセットする。意味不明のエラーが連発する。起動しなくなる。といった症状が出ます。
後から分かったのですが、液漏れしていなくても、その症状が出ることもあり、「変だな」と思ったら、早めにチェックした方が
良いようです。当方はキューブPCで発見が遅れたため、メモリを破損させたようです。
では、確認作業に入ります。まず、ケースを開けると中が見えますが、緑色の物はCPUを冷却するための施設です。
これは簡単に取れます。ファンの風は左から右に流れています、一般的にはCPUやチップセットの排熱を受けるあたりの
コンデンサーがいかれるようです。左写真の右上あたりですね。
その付近を拡大してみましょう。チップセット横のコンデンサーが4つ見えますが、そのうちの1つがパンク、もう1つの頭が
膨らんでいるのが分かります。情報によると、ほとんどこの付近がやられているようです。今回はこの2つを交換します。
(追記:正常に見えるコンデンサーがありますが、時間の問題なので一緒に交換することをお勧めします。)
3 SX270の分解方法(2)
MBを取る方法は、まず、緑色のファンカバーを取り外します。やり方は4つの爪が見えますので、それを外してやると
簡単に取れます。次にファンのケーブルを取ります。
すると大型のヒートシンクが見えます。このヒートシンクは緑色の爪2個で止まっているだけです。この爪を左右に開いて
あげると・・・・・・。何と、CPUがくっついたままヒートシンクが取れてしまいます。(こんなんで良いのでしょうか?)
<<この件で、情報をいただきました。>>
Nobです。(H21.09.03)
CPUのヒートシンクを取り外す場合、通電・起動可能な状態であれば暖機運転を行い、伝導シートorグリスを柔らかくしないと、ヒートシンクと共にCPUが
抜けることがあります(特にヒートスプレッダタイプのCPUの場合)。
★CPUクーラー外したらCPUも(・∀・)スッポン! http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51273666.html
★PCの中からマイナスイオンが出たクサイ(その1)
http://partsdog.dospara.co.jp/archives/11211026.html
参考になれば幸いです。
tosyです。(H21.09.03)
「Dell SX270のコンデンサー交換」の中でヒートシンクにCPUが付いて外れたとのコメントがありますが、熱伝導剤の種類によっては粘着性が高くてヒート
シンクにくっついてCPUが外れるのはメーカー製PCでは良く有ります。
修理に行くCE(技術員)への注意事項としてはずす前にヒートシンクを捻ってから外すようにと教えていました(以前の職場にて)。
→Nobさん、tosyさん情報ありがとうございました。とりあえず、無事に動いていますが、今後は注意します。By Dyna
taka-1です。(H21.09.06)
いつも拝見させて頂いてます。CPUクーラーのCPUスッポンについてですが、PCが起動出来ない場合に私はS478の時は
クーラーをリテンションから外す前に上から押し付けながら左右に動かします。特にDELLの場合リテンションとクーラーに若干の遊びが有る為
動いた時に、グリスとクーラーが剥がれた感触がわかります。NECのスリムPC等、リテンションが無い機種にはこの方法は使えません。
最近ではCeleronの場合は安価なので無造作に外して、序でにPen4に乗せ換えてます。
ジャンクの世界もS478からLGA775に世代交代が進んでいるのでCPUスッポンも過去の思い出になりつつありますね。
→taka-1さん情報ありがとうございました。S478からLGA775への移行が進むと、また一段とお安くなりますね。楽しみです。By Dyna
この、CPUソケット周りにある緑色のパーツに付いている4つのネジを取ると、MBが本体から離れます。
4 コンデンサー交換
交換するターゲットはこの2つです。
@液漏れ 1800μF 16V 105℃ ルビコン製
A頭の膨らみ 1800μF 6.3V 105℃ ルビコン製
交換用のものは、それと同じか、それ以上のものを購入してください。メーカーは国産がよろしいようです。
例:日本ケミコン、ニチコン、ルビコン等
また、MB用には一般のコンデンサーではなく、低ESR品という高品質なものにしてください。
秋葉原では、秋月・千石電商(本店地下)・マルツパーツ・若松通商・ラジオセンター1Fの三栄電波・2Fのe-BOX71番
にあります。ここでは、千石でルビコンと東信工業のものを購入しました。約100円/個 程度です。
基盤の裏側には間違えないようにシールを張りましょう。
あとは、60Wの半田ごてをあてて、半田を溶かし、コンデンサーを左右にゆすって、撤去します。
撤去したあとの穴はふさがっていますので、再度半田ごてで加熱し、当方はそこに半田吸い取り線を当てて、
半田を吸い取ります。それでも、残りますので、当方はマチバリを入れて、貫通させます。クリップが良いと言う
情報もありますので、工夫してください。なお、写真でもお分かりの通り、こてでかなりMBを傷つけます。
作業にあたっては十分ご注意ください。(写真だと簡単に見えますが、実際はものすごく小さいのです)
穴が貫通したら、新しいコンデンサーを入れて、半田付けします。そのあとニッパで足をカットしましょう。
この時、コンデンサーのプラスマイナスの注意ください。長いのがプラスで、短いほうがマイナスです。
このままでは、MBが傷ついたままなので、レジスト補修液(マルツパーツで¥462)を塗っておきましょう。
施工後はこんな感じです。あと、パンクしていたコンデンサーは見苦しいですね。
5 作業完了
あとは作業を逆に戻していって完成です。緊張の一瞬、SWを入れましょう!
やりました。DELLの文字が出ました。理屈で分かっていても、この一瞬は緊張しますね。
でも、無事動いて良かったです。なお、作業が終わってから毎回後悔するのですが、近所のコンデンサーも交換して
おけば良かったと反省しています。(実際は、緊張の連続で、そんなにゆとりはありませんが・・・・。)
では、皆さんも頑張ってください。
注:電子機器の改造・修理は危険を伴います。実施に当たっては、あくまでも自己責任でお願いします。
ども、Dynaです。
自分のレポートにコメントするのも変ですが、 あえて書きます。コンデンサー交換作業は3部作構成にしておりまして、
IBM−A50とキューブPC、それにこのSX270です。ですから、このレポートは実際6・7月に作成しており、エレキジャック
NO14の発行(8月25日)を待って公開とさせていただきました。
ここでも、書きましたが、コンデンサー交換は慣れると、結構美味しい作業です。なぜなら、かなりの確率で修理できる
からです。しかし、疑問も生じてしまいました。それは、MBの穴の処理です。作業をやっていて気が付いたのですが、
配線のないホールがいくつも見つかりました。これは、どうやら多層基盤により別の層で配線されているようです。
よって、半田付けを表面で確認できないのですね。これでは運に任せることになります。まあ、しっかり半田を溶かせば
大丈夫ですが、いまいち納得出来なかったです。
でも、3回コンデンサー交換を実施したら、かなり自信が付きました。これなら、いくらでもチャレンジできそうです。
しかし、コンデンサーの異常は特定の年代のものに集中しているようなので、同じものばかり買うことはないかも
しれませんね。 メール By Dyna