DELL Dimension8300 コンデンサ交換
By Nobさん (H21.05.17)
ども、Dynaです。
コンデンサー交換等有用な情報を沢山送ってくださっているNobさんから、更なるレポートをいただきました。
今般もコンデンサー交換ですが、何とそれに至るまでに大きな壁があったようです。実は当方も間もなくDellの
コンデンサー交換をしようと思っていたので、ひょっとすると、大変助かりそうです。それでは、早速拝見しましょう。
メール By Dyna
DELL Dimension8300 コンデンサ交換
こんにちは、Nob です。
1.はじめに
職場で使用しているPCの内部を掃除しようとして覗いたところ、コンデンサが膨張・液漏れしているのを発見。
現状、動作に不具合はないが、コンデンサ交換をすべく、作業に取り掛かった。しかし、難関が待ち受けていた
とは…。
※「またもコンデンサネタか…」と思われた方は、ご容赦願いたい。
2.PC概要
[写真1-3]
写真1 写真2 写真3
【メーカー】DELL
【型番】Dimension 8300
【CPU】Pentium4 2.80EGHz (Socket478)
【カタログ(pdf)】
http://www.dell.com/downloads/jp/products/dimen/Dimension8300.pdf
【マニュアル(pdf)】
http://supportapj.dell.com/support/edocs/systems/dim8300/JA/om/K2893A02.pdf
【不具合】
CPU付近のコンデンサ4本が、膨張・液漏れ。
3.情報収集
DELLのコンデンサ不良は有名であるが、Dimension 8300のコンデンサ交換について情報を収集。
★Dr.Oh パソコン修理の記録
〜Dell Dimension8300 の修理〜
http://blog.livedoor.jp/geddy1967/archives/51460687.html
〜DELL Dimension8300 の改造〜
http://blog.livedoor.jp/geddy1967/archives/50730672.html
★Augustnk 〜Dell Dimension 8300−コンデンサの液漏れ〜
http://www.koalanet.ne.jp/~tanaka16/dell.html
★ワッペンの改造部屋 〜Dimension 8300 の修理〜
http://www.geocities.jp/g2wpn55/dime8300.html
★CNET Japan 〜デル1社では済まない--
PCメーカーを揺るがす不良コンデンサ〜
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20091696,00.htm
4.コンデンサ交換
@ ベースプレート+M/Bの取り外し [写真4、5]
写真4 写真5
PCIスロットのビデオカード、M/Bに接続されているケーブル類を外し、緑色レバー(赤丸)をCPU側に倒して
ベースプレート(鉄板)+M/Bをケースから取り出す。
A CPUクーラーの取り外し1 [写真6]
写真6
CPUクーラー両側にある樹脂製固定具(緑色、2本)を外す。
作業自体は簡単であるが、写真の赤丸部分を押して取り外そうとしても、樹脂が折れそうで、力(ちから)加減
が難しい。
B CPUクーラーの取り外し2 [写真7、8]
写真7 写真8
リテンション両側(2箇所)の部分を広げながら、CPUクーラーを取り外す(写真7はすでにCPUクーラーを取り外
した状態)。
これも文章で書くと簡単であるが、実際には樹脂のリテンションが折れそうで、やはり力加減が難しい。
C ベースプレートからM/Bの取り外し [写真9]
コンデンサを交換するには、ベースプレートからM/Bを分離する必要がある。M/Bは金属製ネジ4本とリテンション
の樹脂製ピン4本で、ベースプレートに固定されている。このリテンションのピンを抜くため、写真9に写っている
中心のピンを細いドライバーで押しても、全く抜ける気配がない。
30分ほど格闘したがピンは微動だにしないので、コンデンサ不良は「見なかったこと」にしようと、一度は元に戻した。
・・・しかし時間の経過と共にモヤモヤ感が増幅し、ネットで再調査。
5.情報収集(再)
ネットで調査すると同じような悩みを抱えた方を発見。
★Dimension4600c socket478リテンションの外し方 -OKWave
http://okwave.jp/qa2357883.html
しかし、この質問者は結局ピンを破壊。
さらに調べると、いつも参考にさせて頂いている方のHPで、無事ピンを抜いてコンデンサ交換されたと思わ
れる事例がある。
★金太の小冒険 〜Dimension 2300C コンデンサ交換〜
http://akebonotown.com/pc_2300C.htm
このため、この掲示板で質問させて頂いた。
★金太の小冒険 〜PC再生工房 No.49 DELL 2300Cについて〜
http://akebonotown.com/bbs/wforum.cgi?mode=allread&no=926&page=0
6.コンデンサ交換(再)
D リテンションの取り外し [写真10-15]
写真10 写真11 写真12
金太さんより「ピンを抜く時は治具を2本用意して、ピンの両側から挟むように」と、アドバイスを頂いたが適当
な治具が無い。
このため、柄の長いマイナスドライバーを用いて、てこの原理でゆっくり抜くことにした。少し抜けたら、スペーサ
ーを入れて嵩上げして、さらにピンを引き抜く。市販されている一般的なピンはサイズが合わないため代用でき
ないという情報により、否が応でも慎重にならざるを得ない。
写真13 写真14 写真15
★Ainex P4リテンション用固定ピン/PB-041
http://www.ainex.jp/products/pb-041.htm
ピン、及びピン穴周りに傷が付いたが、なんとか4本引き抜くことができた。結局、1本引き抜くのに5〜10分掛かった。
E ベースプレートからM/Bの取り外し [写真16]
写真16
リテンションが外れたので、M/Bをベースプレートに固定している金属製ネジ4本を外そうとしたら、ミリサイズの
ソケットレンチでは合わない。1/4インチのソケットが必要。
これで、M/Bと分離が完了した。
F コンデンサ交換 [写真17-20]
写真17 写真18
ここに辿り着くまで、非常に長かった。
nichicon 820μF/6.3V×4本を、rubycon ZLH 1500μF/10V×4本に交換。これらのコンデンサは、プリント基板の
銅の配線パターンが『面』になっている部分に配置されているので、ハンダゴテの熱の逃げが大きく、少々、交換に
手間取った。最低60Wのハンダゴテが必要と思われる。
写真19 写真20
7.組み付け
コンデンサ交換後のリテンション、CPUクーラーの取り付けは、取り外しに苦労したことが嘘のようにあっという
間に終了。
電源をONにして正常動作することを確認し、作業終了。
8.電源
写真21
標準電源は300W。「Dr.Oh パソコン修理の記録 〜Dell Dimension8300 の修理〜」には、「電源容量不足により、
コンデンサに不具合が発生する」とのことが書かれている。下記のサイトで電源の推奨最低ワット数を計算すると、
300 or 350Wとなる。
写真22
★ASUS 電源用ワット数計算機
http://support.asus.com/PowerSupplyCalculator/PSCalculator.aspx?SLanguage=ja-jp
市販のATX電源が使用できるが、これを取り付けるにはケースの板金加工が必要とのこと。素人
考えの「大は小を兼ねる」的な発想でコンデンサの容量・電圧をアップしているので、根拠は無いが電源はその
ままで大丈夫と判断(本当か?)。
9.まとめ
写真23
コンデンサ交換は素人ながらだいぶ慣れてきたが、今回のリテンションのピンの引抜きには閉口した。金太さん
のアドバイスが無ければ、確実に諦めていた。この場を借りて、金太さんにお礼を申し上げます。
最後に使用した工具を写真23に示す。以上、皆さんのお役に立つ情報になれば幸いです。
ども、Dynaです。
レポートありがとうございました。そうですか、リテンションピンの引き抜きはそんなに難しいのですか。
自作の場合は、単なるネジなので何の問題もないのですが、このピンでは確かに手こずりそうですね。
まあ、メーカーとしては組み立て時の時間短縮ができるので、大いに便利そうですが、ジャンクを愛する
我々には悩ましい部品でしょうか。今後はますますこのような部品が使われると思います。大変参考に
なりました。ありがとうございました。 By Dyna メール