FMV-BIBLO NB75Jのバッテリー交換成功!

By kensonicさん (H20.02.01)

ども、Dynaです。

 今、当方はモバイルPCの需要が増してきて、古いノートを出しては動くか確認しています。大方は動くのですが、残念

ながらどのノートもバッテリーがダメですね。以前にバッテリー交換した機種でさえも、1時間もたなくなっていました。

やはり、使っていないとだめですね。しょうがないので、バッテリーセル交換しようかと思っていた矢先に、FMV-BIBLO

NB75Jの液晶でお世話になりましたkensonicさんから第2弾として、バッテリーセル交換のレポートを送っていただきま

した。ありがとうございます。最近は当方もチャレンジしなくなっているので、良い刺激になりました。早速、拝見しましょう。


1 はじめに

 皆さま お世話になります。FMV-BIBLO NB75Jの液晶でお世話になりましたkensonicです。

バッテリーパック(18650)交換のレポートをお送りします。

 

 既存バッテリーの確認

 NB75Jのバッテリーパック(FM-41/0644180、14.4V2000mA)は、充電完了で100%

1時間54分表示が出るのですが、バッテリー駆動数分で数%表示、その後30分弱でPCダウンの状態でした。

何度か充放電を繰り返しましたが殆ど効果なし、よくあるリチュウム電地の劣化でしょうか。

復活の可能性は無いものかと殻割りに取り掛かります(画像001〜003)。

画像001 画像002  画像003


割り方はコネクター付近に少し隙間がありドライバーで最初の隙間を広げます。

その後は画像のように楔を入れる要領で一週回り綺麗に割れました。

使った棒はジュラコン(だったと思います)の角棒を鑢で削った冶具です。

此れはパネルなどの嵌め込み部分の分解にも重宝しております。

 

画像004 画像005 画像006

殻割が終わりましたのでセルの電圧を測ります。

PCで殆ど使い切った状態で3.8V〜3.9Vの間でした。

 

3 復活チャレンジ

それぞれのセルには電圧検出のリードと-側のセルには温度検出がありました。

但し各セルのばらつきも結構あり此れが原因の可能性もあると思い

次は容量を揃えて充電する事にします。

リチュウム電池は最低電圧が3.2Vを割らない様にすると聞いたことがありますので

3.3Vを下限に放電させます。

画像007 画像008

方法は電子負荷で500mAを流しバッテリーの電圧を見ながら3.3Vになったところで終了します。

電子負荷を使ったのは電流設定が容易で抵抗のようにバッテリーの電圧によって

電流値が変化しない為です(定電流放電が可能)。

ここまでで気づいた事はバッテリーにより電圧降下の時間に違いがある事。

+側1本目と3本目が若干早く放電しました。

4本放電がおわり暫く放置後、パックをセロテープで仮組し充電、さて結果は。

あまり効果が無く30分→40分と多少の改善に留まりました。やはりセルの劣化と思われます。



4 セル探し

セル交換に使う電池を探します。

18650は3.6Vと3.7Vがあるようですがタブ付きで比較的リーズナブルな物を検索した結果

楽天の「電池専門のネクセル 」が検索に掛かりました。

http://item.rakuten.co.jp/nexcell/18650-tag-s/

容量も2200mAと近い数値でバッテリーパックの14.4Vから3.6Vのセルですが多分メーカー

による違いではないかと思いますので注文する事にしました。

「サンヨー 業務用ノーラベルアウトレット品

18650タグ付 リチウムイオン電池 ちょっと傷がありますが、使用には影響はないです。

商品番号 A05CI18650-TS
価格 500円 (税込 525 円) 送料別
残りあと104個です
品 番 UR18650F
公称電圧 3.7V
公称容量 2200mAh
寸 法 直径:18.1mm
高さ:64.8mm
質量:約46g
使用温度 -20℃〜60℃
タグの長さ 30mm 」


画像009 

価格も1個525円送料メール便で200円は最低個数4個購入には丁度良いと思います。

注文・送金から中1日で届いたのはストレス無くお勧めです。

届いたセルは30mmの端子が同じ方向に出ているタイプでした。

作業前にセルの電圧測定、4個のセルは3.81〜3.82Vとよく揃っていました。




5 セル交換と結果


このまま元のバッテリーと置き換えますと端子を折り曲げて2重になる所がありますので

ケースの余裕を考えてジャンパーリード処理で接続します。

問題なくケースも閉まりました。

画像010

ボンドで固定後ケースをセロテープで仮固定、PCに装着・・・バッテリー駆動では

全く反応なし。完全放電の様子です。

充電は正常に開始PCの充電表示は0%を数分経過し徐々に上がりました。

約2時間の充電で1回目の満充電で1時間52分の表示でバッテリー駆動に移ります。

メディアプレーヤーで映画鑑賞のテスト結果、残量3%で1時間40分持ちました。

現在3回目のサイクルで2時間20分で満充電、

2時間5分の表示でおおよそ2時間の実稼動が可能になりました。

画像011 画像012

今回得られた結果はサンプル数が1と確度の保証は全く無い物ではありますが

参考になればと思います。
 


6 考察

得られたと思われるデータは


1.セルのばらつきは放電によるバランスでは修復出来ない(並列で電位を揃えるのは?)。

2.3.6Vと3.7Vのセルはメーカーの仕様による違いの可能性があり実用では

 その違いが無い可能性がある。

3.セル交換で重要なのはセルバランスが揃っている事。

充放電で表示誤差があるのは劣化したセルが他のセルより満充電の電圧に

達するのが早い為規他のセルが規格容量まで充電出来ないのが原因だと思います。 (注1)


セルの充放電特性が揃えば本来の容量が確保出来ると思われます。

もしバッテリーパックから殻割り移植をされるのであれば開放電圧の近いもの

を使うと上手く行く可能性が高くなると思います。

特にセル単位で危険電圧(満充電)検出をしているパックは上記が当てはまると思います。

あくまで素人解析でサンプル数「1」を念頭に参考になれば幸いです。


追記(H20.1.31)

その後5回の充放電で2時間程度の持ち時間をキープしております。

多分大丈夫ではないかと思います。

メールをお送りした時に18650の在庫を見たのですが記事通り

104個ありましたが・・・昨日追加注文をと思いアクセスで売り切れと

なっていました(注文時には144個在庫)。

多分業者さまの買占めではないかと思います。

 

(注1)

結構トラブルの多い項目でリチウムイオンを電源とするメーカーでは大変慎重に扱っております。

特に危険電圧(過充電)などに対しては十分な安全性を見ており

特定の電圧(多分4.2V 以上)になりますと必ず充電をカットします。

また温度や過電流も管理しているのはノートのバッテリーパックを見ればある程度想像がつきます。

リチウムイオンの充電特性から割り出した新品時の満充電電圧を基準としており

充電量の判断はセル一つ一つの電圧管理を行っているのでしょう。

劣化した(内部抵抗の上昇した)バッテリーセルが早く満充電の電圧に達してしまい充電終了となります。

直列に接続されていますので正常な他のセルが規定容量に達する前に充電完了となるものと推察されます。

此れはリチウムイオンを使った携帯電話の電池も全く同じシステムですぐに

充電が終わり持ち時間が短くなった物と同じ現象です。

余談ですが携帯の電池で外装の一部としてが外れるバッテリーパックの

±以外の端子で必ずあるのはS(センスと呼んでいます)端子で温度センサーの端子です。

ノートのバッテリーパックと同じですね。

<<<注意事項>>>

Dynaさまの仰るとおり大変危険なバッテリーですので

リフレッシュには短時間の充電であってもATX電源の5V端子でセルの充電は絶対行ってはいけません。

熱暴走が始まってから充電を止めても爆発する可能性はありますし

ATX電源の5V端子は可也の容量があります(最悪その電源のMAX電流が流れます)。

必ずCC(カレントコントロール、電流制限)の付いた実験用電源で電圧と電流管理が

出来る環境でのテストが最低限必要だと思います。



Dynaからもお願い

 リチュムイオンバッテリーは大変危険です。取り扱いは十分注意してください。そして作業をされる場合は

あくまでも自己責任でお願いします。


 ども、Dynaです。

 レポートありがとうございました。また、セル交換成功おめでとうございます。さて、当方もセル販売のHPをみました。

良さそうなお店だと思っていたのに、あっという間に売り切れですか。がっかりです。最近は秋葉原でも、気軽にセルを

入手することは難しくなりつつあります。一時大量に出回った2本セルパックがどのお店でも販売終了したからです。

 それにしても、余裕のあるバッテリーパックですね。これなら、ゆとりを持って交換できますね。当方が今までチャレンジ

したものは皆ぎゅうぎゅうで、苦労しました。ほとんどの場合入らない可能性の方が高かったです。当方も、そろそろ性能の

良いノートがほしくなって来ました。では、また

 

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