フラットケーブルをコンダクティブペンで補修 By MS さん (H19.04.01)

 ども、Dynaです。PCにはフラットケーブルが多く有りますよね。液晶モニタ、HDD、FDD、CDD、キーボード、

などなど、必ずあると言っていいでしょうか。しかし、当方も経験しましたが、液晶モニタ用のフラットケーブル

開閉の関係で亀裂が入ったり、断線したりします。単なる破断なのにケーブルの性格上、半田付けがしにくく

修理出来なくて悔しい思いをした方も多いと思います。何とかできないかと、当方も試しましたが、結構微妙で

当方は玉砕でした。熱で反対側まで溶けてしまい、表裏の関係が分からなくなってしまったのです。

もう二度とフラットケーブルの修理はしないと決めていましたが、昨日成功例のレポートをいただきました。

拝見してみると、なるほどと思え期待できます。それでは、早速拝見しましょう。


<液晶フラットケーブルをコンダクティブペンで補修>By MS

※画像は他のケーブルで再現です。面倒なので4本しかやってません (^^ゞ


先日ファーストポイントに
Lavie NX PC-LB30(購入後判明)が\980であり、半日でも

遊べればと思い購入しました。

(HDDなし、電源入る、液晶表示せず外部モニタOKとの表示)



手持ちの19Vアダプタつないだところ、NECのロゴ出るものの、チョイと触っただけで

点滅状態。BIOSでメモリ状態を見ると160MB。早速バラしてみるとメルコの128MBが刺

さってました。HDDケーブルはなかったがこれだけで元は取ったので、早速液晶を解体。



TFT裏に貼り付いたフラットケーブルのうち、インバータへ向かうケーブルのベタ折

れを発見。指で触ると確かに点滅を繰り返します。

確認のため折りを戻したら、パリっと折れてしまいました。(取り回し上、ベタ折り

せざるを得ないのでしょうが、設計に疑問持ちます。)



ハンダ付けも考えましたが、以前失敗したことあるので断念し、あまり使わないでいた

コンダクティブペン(1年ほど前に千石で\2790で購入)での補修にチャレンジ。

幸い、インバータへのケーブルは配線数が少なく(細3本、太1本+裏にアース網)、

ダメだったら直結すればいいやとの気軽な気持ちでスタート。
 


<手順>

ケーブルの切断面は折れたままの状態で、曲がりのみ修正で行いました。

(ヘタに整形すると短くなる恐れあったので)

1 ケーブル皮膜をカッターの刃の先端で軽く何度もこすって削る。

<画像01>

 (刃は折ったものの方が微妙な感じで扱える。なるべく直角に近い角度に立てる。

削る方向は銅箔の上のみを切断面に向かって一方向に約2ミリ程度銅箔が露出する程

度。なお、ケーブルを硬いものの上にテープで固定するとずれません。私は液晶の裏

パネル上でやっちゃいましたが・・・)



2 ケーブルの裏側のアース網を数ミリ剥がす。

(切断面の角にカッター刃を当てて網の端を浮かせた後、ニッパで剥きました。実は

最初にコレやらなかったため、コンダクティブペンの液が裏にしみ出て、やり直しす

るハメに。)



3 切断面をピッタリ合わせ、ケーブル裏側にズレ防止用のセロテープを貼る。

<画像02>



4 1で露出させた表の部分を覆うようにセロテープを貼り、竹串でしっかり密着させる。

<画像03>



5 銅箔の側面スレスレに沿ってカッターで切れ目を入れる。

(力加減に注意。
セロテープだけ切るんです。)


6 針の先で、銅箔に乗った部分のセロテープだけを剥がす。

<画像04>



7 コンダクティブペン<画像05>の液を銅箔に塗る。

 

(塗るというより、チョイと置く感じ。薄めに塗った方がベターです。特に、切断面の

上は注意深くしないとしみ出すので、粘度の高くなった液がベスト。なお、ペンから

直接やると失敗するので、液を一旦何かの上に落とし、先の細い物の先端に少量

つけてやった方がいいです。針だと先端に液が溜まらないので、0.3ミリ位のエナメ

ル線利用しました。)

<画像07>



※再現時、カッターの刃に液を付けて押し付ける方法を発見しました。こちらの方が

にじみ少ないようです。

<画像10>



それとペン先は出が悪くなりやすいので、面倒な時はペンを右にねじって中の液を

直接取り出します。

<画像06>



7-2 切断面に隙間があると液が回り込みやすいので、より線ほぐしたものを乗せ、

液をその両端に塗る方法もあります。

<画像08>



8 乾くまでひたすら待つ。

(気温にもよるが1時間以上は必要。ガマンが成功の元)



9 乾いたら、念のため再度7、8を繰り返す。

(私は薄塗りで2回でした。)



9-2 テスタで導通確認する。

<画像11>



10 6で残った部分のセロテープを剥がす。

<画像09>
 


11 隣同士のショートの有無をテスタで確認。

<画像12>

(もし、くっついていたら、カッター先端で削り取る。)
 


12 ホットガンで表面を塗り固める。

 <画像13、14>

(テープでもいいのでしょうが、折り曲げた時、切れる恐れあるので)



13 裏側のセロテープを切断面付近のみ残し剥がす。

(切断面残すのは、液がしみ出るのを防ぐため)



14 裏面のアース網〜切断面〜アース網にかかるよう、コンダクティブペンを塗る。

(金属網なのでハンダ付けでも構わないのかも)※再現にはありません。



15 乾いたら、14で塗った部分にホットガンを薄く当てた後、導通確認する。

  <画像15、16、18>
※画像18で0Ωになってないのはテスタの電池不足です。
 


16 組み込み。

(ホットガンを厚く塗りすぎると裏ブタと干渉します。その時はカッターで削ぎ落とす

しかないですね。ジャンクなのでフタを削るのもアリかな。)

 <画像19、20:これのみ実物画像>

実施後の感想・・・とにかく目と肩に来ます。

ともかく、これで点滅はなくなりました。

今回のはインバータ回路用なので線数が少なかったのが幸いしてると思います。もし

20Pin側だったら多分諦めていたでしょう。



ただ、HDDのフラットケーブルがないので使い道がありません。マザー側の接続が圧

着タイプのようです。純正品見たことないし、ヤフオクにも出ておらずどうにもなり

ません。せめてピンアサインがわかればIDEケーブルで直結しちゃうのですが。

液晶が明るく、MMX300MHzで使えなくもない状態なのがかえって悩ましいです。イン

バータとバックライト取り出して遊ぶしかないのかも。

 


ども、Dynaです。

 フラットケーブル修理レポートありがとうございました。お話のように目や肩に悪そうな作業です。

ご苦労様でした。コンダクティブペンですか、話には聞いていましたが高価なので試したことはあり

ませんでした。確かに線の幅が広く、線数が少ないフラットケーブルなら、当方でも何とか出来そうな

気がします。ただ、老眼の自分には、細くて多数かつ両面のケーブルだと、厳しいかも知れません。

チャンスがあったら、というより、やらなければならない時が来たら、試してみます。

By Dyna

 

 

 

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