使えなくなったバッテリーパックが復活 (セル交換無し)
ThinkPad560のバッテリパック再生秘技(H17.02.16)
Dynaです。
平成17年2月14日(月)いつも有用な情報をアップして下さる ocka さんから、とても気になるメールを頂きました。それは、「使えなくなった
バッテリーパックをセル交換なしで復活させた。」との情報でした。当方は、他のHPで「セルのカツ入れ」なるものを見てはいましたが、まさか
本当に出来るとは思っていませんでしたので、正直驚きました。完全に元に戻るわけではないようですが、残る機能が使えるようになる
ようです。早速、拝見しましょう。なお、毎度のお約束ですが、リチュウムイオン電池は大変危険な物です。取扱いは慎重にお願いします。
また、実施する場合は当然ですが、自己責任でやってください。
Dynaさん、こんばんは。
百万ヒットおめでとうございます。ごぶさたしてました、ockaです。
禁断の(?)リチウム電池に私なりのアプローチをしてみました。
ThinkPad560のバッテリが使えない状態だったのですが、端子電圧を測るとほとんどゼロだったので分解しました。
3x3セルのLi-ionでした。
ステップ1
どのセルブロックも2.5Vぐらいしかありませんでした。
下限電圧を切っているため、内部基板の過放電から保護する機能によって外部から切り離されているようです。
セルブロックを強制充電しました。(電流計付きの可変電圧の安定化電源をつないで)
PC本体に戻して充電すると、じきに容量表示100%になりました。が、ACアダプタを抜くと1分くらいしか持ちません。
内部基板が充電した量を積算しているようです。(PC本体とシリアル通信してます)
ステップ2
端子に抵抗をつないで(内部基板を通して)放電しました。
過放電から保護する機能があるので、放っておけば自動的に電流は止まるようです。
ひとつのセルブロックだけが下限電圧になっており、他はまだ電圧が高い状態でした。(3.5Vくらい)
これではPCで充電しても、こんどは過充電から保護する機能によって充電が不完全なまま終わってしまいます。
他のセルブロックを直接個別に下限電圧まで放電しました。(この放電には保護は効きませんので電圧を測りながら慎重に)
PC本体に戻して充電すると、2〜3時間かかって容量表示100%になりました。
1時間以上もつようになりました。新品とは比較になりませんが、停電対策が目的なので充分です。
まとめ
崩れているセルのバランスを取れば能力を活かしきれる。
内部基板に充放電電流を知らせることが重要。
ではまた。
Dynaです。
何となく分かったような、分からないような状態なので、質問して見ました。
→簡単に言えば、「使えなくなったバッテリーパックが復活した」と言うことでしょうか。 Dyna
はい。 セルを交換したわけではありません。
見かけ上は寿命を迎えた あるいは故障したように見えるバッテリも
じつは各セルの充電量が不足あるいは不均等になってしまっているだけ という場合があり、
その場合なら各セルの状態を揃えて充電してやれば残っている能力を引き出すことができる
のではないか ということです。 ocka
→写真はありませんか?(あると大変に分かりやすくなるのですが)
分解した状態のだけしかありません。 すいません。
いちおう添付しますが、ケースの構造を誤解していたのでほぼ破壊に近いです。(恥)
> セルブロックを強制充電しました。
> (電流計付きの可変電圧の安定化電源をつないで)
→具体的に何Vで、時間はどのくらいでしょうか?
電圧はゼロから徐々に上げていきました。 電流を見ながら1Aを上限にして。
時間は数分だったと思いますが、電圧が3.5Vくらいになるまでです。
(電流を切って3Vくらいあれば過放電保護から逃れられると思います)
> 端子に抵抗をつないで(内部基板を通して)放電しました。
→抵抗値は何オームでW数はどのくらいでしょうか?
18Ωで3Wの酸金です。 煙が出てカラーコードが読めなくなりました。(笑)1Cくらいまでなら流しても良いと思ったのと、手元にたくさんあったからで
厳密な意味はありません。
↑ocka氏より訂正が入りました。ページのまとめを参照してください。By Dyna
→作業全般に言えることですが、セル1個なのか、パック状態なのか教えてください。
すいません。セル3本並列になったものを勝手にセルブロックと言ってました。
最初に充電したときはそのブロック毎にやりましたが
たぶんまとめてやっても(3ブロック直列)大丈夫だろうと思います。
(電圧を検出している回路がつながっているだけだと思いますので)
放電したときはパック状態です。 接続コネクタに抵抗を挿してやりました。
つまり3ブロック直列のものから基板を介して電流を流したことになります。
(追加)
■ まずパック状態で放電したあと、
中の電圧の高いブロックを個別に(3本並列になったブロック単位で)放電しました。
つまり、すべてのブロックをすっからかんにしたわけです。
同じ3W18Ωの抵抗を直接つないで電圧を見ながら2.5Vくらいになるまでです。
時間は15分以上かかったと思います。
↑ここの抵抗も同じようにW数が大きい方がよいと思います。By Dyna
● 以上ですがいかがでしょうか?
書いてて思ったのですが、電圧が出なくなったバッテリを手に入れられたら
追試して確認してみたいですね。
今度はだいぶ様子が分かったので工程写真を撮りながらやれるかと。
ocka
Dynaです。
追加のメールが来ました。
復活させたバッテリの充放電の様子を画面キャプチャで添付します。
(bbench.exe
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se211432.html )
あと、本体そのものも修理してましたので写真を添付します。
この機体は、ピーーーと長くブザーが鳴って起動しなかったり運良く起動しても再起動すると同じようになったりと動作不安定でした。
おかしくなった後は必ず時計がリセットされてるのを手がかりにリアルタイムクロックICに辿りつきました。
本当はICが不良気味だと思いますが、抵抗を追加して処置できました。以後は不安定なことはなくなっています。
ではまた。
どもDynaです。
自分なりにまとめてみました。これでよろしいでしょうか?
1 セルとブロックとパックの関係
2 作業手順と注意事項
ステップ@
セルブロックを強制充電
・電流計付きの可変電圧の安定化電源をつないで、セルブロック単位に充電する。
(電圧はゼロから徐々に上げる。 電流を見ながら1Aを上限にして。
時間は数分、電圧が3.5Vくらいになるまで。)
(電流を切って3Vくらいあれば過放電保護から逃れられると思
う。)
注)
最初に充電したときはそのブロック毎にやりましたが
たぶんまとめてやっても(3ブロック直列)大丈夫だろうと思います。
(電圧を検出している回路がつながっているだけだと思いますので)
ステップA パックの 端子に抵抗をつないで(内部基板を通して)放電
・パックの端子に抵抗(18Ωで3Wの酸金)をつないで(内部基板を通して)放電する。
(
過放電から保護する機能があるので、放っておけば自動的に電流は止まる
。)
(訂正)使う抵抗は前述の3W18Ωの酸金抵抗では焼けて煙が出るくらい熱くなりますので、
もっと定格電力の大きい抵抗をおすすめします。(10W以上)
あるいは、3Wならもっと抵抗値の大きいもので。(68Ω以上)
ただし抵抗値を大きくするとそのぶん流れる電流が減りますので時間は長くかかります。
ステップB 電圧の高いセルブロックだけ抵抗で放電
・電圧が高いセルブロックに3W18Ωの抵抗を直接つないで電圧を見ながら2.5Vくらいになるまで放電する。
(
時間は15分以上かかったと思います。)
(
つまり、すべてのブロックをすっからかんにしたわけです。)
↑ここの抵抗も同じようにW数が大きい方がよいと思います。
ステップC PCに戻して充電
・
PC本体に戻して充電すると、2〜3時間かかって容量表示100%になりました。
(
1時間以上もつようになりました。新品とは比較になりませんが、停電対策が目的なので充分です。)
以上、こんな感じでしょうか? それにしてもすごい情報ですね。ありがとうございました。 By Dyna (H17.02.16)
Dynaです。早速、カツ入れ情報が入りました。結構やっている方いらっしゃるのですね。(H17.02.18)
では、この場を借りて公開させていただきます。
こんばんは。Oと申します。
ThinkPad560のバッテリのカツ入れを以前2回やった事があったのでメールしました。
両方のバッテリともPCの充電ランプがつかなくなって充電しなくなったのでやりました。
私がやったときは、詳しい事は記録していませんでしたがまず基盤を外しました。5カ所半田で止められています。
それから1ブロックごとにATX電源を使い5Vを1分間くらい流して1ブロックで3.5Vになるようにしました。
その後基盤を元に戻してPCで1時間くらい使えるようになりました。
2回目にやったときは、テスターで電圧を測ったところが左のセルをはかると針が他のとは逆方向に動きます。
調べてみると転極というらしいです。過放電すると+と−が入れ替わるらしいです。転極したものは危険だと書いて
ありましたが充電してしまいました。1ブロック3.5Vになるようにしました。
充電前、左0V、真ん中3.0V、右3.5V(パック全体で7V)でした。
そして左85秒、真ん中20秒、右0秒、5Vをかけました。パック全体で10Vになりました。
しかし基盤を元に戻してPCに入れても一応充電はするのですが、0V だったブロックが暖かくなってしまい危なそうだったので
途中でやめました。結局これは失敗しました。やはり転極したものはだめなようです。
→「カツ入れ」をATX電源で実施できるのが便利そうですね。参考にさせていただきます。 By Dyna
Dynaです。再び ockaさんからレポートが来ました。ThinkPad560用ではありませんが、楽しみです。では、どうぞ。(H17.02.24)
さて、探しているパナのバッテリはまだ手に入っていませんがウチにあるスペックジャンクなノートにリチウムが付いてたのがありました。
(てっきりニッケル水素だと思い込んでいました)
ThinkPad560のときと同じことを週末にやってみました。結果はあまり芳しくないですが経過をまとめてリポートします。
パソコンはPC-VA30DTXといいます。どんな状態かというと、
ACアダプタを抜くと、じきに98%とか言ってるうちに突然8%に落ちてしまいます。その間2〜3分です。(笑)
ちなみに、キーストロークとWeb巡回あり でテストしてます。
チェックが入ってない画面になってますが、入れてるとキャプチャするとき邪魔するので。
以降も放電のときは同じ条件です。
そして、その後ACアダプタを挿してもずっと8%のままです。(本体の充電ランプは光ってます)
変ですね。 このまま放っておくと、いつのまにか100%になります。
バッテリの外観はこんなのです。 10.8V 3600mAhと書いてあります。
分解するな とも書いてありますが (笑) 中身はこんなふう。
セルは17670ですね。難しい並び方になってますが、電気的には3x3
すなわち3本並列のブロックが3つ直列につながれています。
電圧を測ってみると12Vあります。 これならまだいけるはずですが。 ???
各セルの電圧も測ってみると、どれも4.0Vでした。
バランスは狂っていませんが、0.1Vしか下がってないことになります。
これでは充電してもじきに4.1Vになって充電完了になることでしょう。
ちなみに高いほうの0.1Vは全容量の10%くらいに相当するようです。
今まで知りませんでしたが、BIOS設定画面に入る前に リフレッシュ の項目がありました。
やってみましょう。 (順序まちがってますか?(笑)
・・・ 写真は省略します。
2時間くらいかかりました。 それだけ充電容量が残ってたことになりますね。
また電圧を測ってみましょう。
さっきよりは電圧が下がってます。でもまだ容量が残っている電圧です。(1セル当たり約3.6V)
ともかく本体に入れて充電してみましょう。
充電の終わりで70%ぐらいから100%にジャンプしてますね。
これはバッテリ内部の制御基板が充電電流を切ってしまい
その状態がある程度の時間継続すると
諦めて100%に帳尻を合わせて充電完了にしてしまうようです。
充電電流を切る理由は、バッテリのセル電圧が充電上限電圧である4.1Vに達してしまったため
過充電を防いでいるのです。
(バッテリ内部の状態を観測して確認しました)
60%くらいからグラフの傾きが少し緩くなってもいますね。
これは充電の終わり頃に、セル電圧が充電上限電圧になったから
と充電電流を切ると、それによってセル電圧が下がり、また充電電流を流す。
するとすぐにまた充電上限電圧になる という繰り返しによって
実効的な充電電流が少なくなるので起こる現象です。
セルが消耗するにつれて内部抵抗が上がるので目立ってくるはずです。
ちなみに上に書いた動作とか、容量のパーセンテージとかは
バッテリ内部の制御基板がやってます。正確にはそれに載っているマイコンのプログラムですね。
ところで、ACアダプタを抜いてからの様子はどうにかウルトラマン状態からは(?)脱皮してますが、
それでも10分です・・・
ということで、より完全な放電を試します。
抵抗は3W18Ωを2本直列にしたものを2つ並列にしました。
今度は消費電力が定格の半分なので燃えません。(笑)
・・・ 写真は割愛します。
電圧を測りながら7.8Vになるまで放電しました。(2.6V
x 3)
3時間くらいかかりました。
電圧を測っている写真は放電抵抗を外した後なので
少し電圧が上がってしまっています。
さて、お楽しみの充放電の特性は、、、
やっと20分ぐらいですか。。。 あまり変わり映えしませんね。
その後もいろいろやってみましたがバッテリの内部抵抗が高くなっているために
充電するときも放電するときも、すぐに上限電圧あるいは下限電圧に達してしまい
満足にエネルギーを貯めたり放出したりできないようです。
つまり、セルそのものがかなり消耗してるんですね。
まあ、残りわずかな能力を引き出せたとは思いますが。
それと、この基板のマイコンはバッテリ容量の減少に適応できないようで
何度充放電しても容量値は当てになりません。
つまり今でも設計容量すなわち新品の時の容量があると思っているようです。
(ThinkPad560のバッテリ基板は適応しました)
あと、セルを基板からはずすと
覚えていた蓄電容量はリセットしてゼロになるようです。
考えたら、この基板は製造されて充電されて以来
完全に電源バックアップされて動作してるわけですね。
バッテリがカラになるまで、もしくは分解されて配線を外されるまでは。(笑)
このバッテリはもうちょっとなんとかなりそうな気がしますが何か分かったらまたリポートします。
→レポートありがとうございました。今回は思ったほど回復しなかったようですね。しかし、いろいろなデータを集めることが
出来て、参考になりました。ありがとうございます。 By Dyna
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