眩しすぎる液晶モニタを強制調整 H16. 10.03(日)
Dynaです。先日、ocka さんから、眩しすぎる液晶モニタの調整を強制的に実施した旨のメールをいただきました。
実は、当方も購入した一流メーカー物(250cd)が眩しくて、ボタンで調整しましたが、基本的に設定が明るすぎる
気がしていました。そんな時の情報なので、とても気になり、無理をお願いして公開して頂きました。
ありがとうございます。なお、毎度のお願いですが、当情報には大変危険なプロセスがあります、ockaさんの
言うように、実施する方は安全な体制をとった上で行ってください。当然自己責任でお願いします。
ockaです。
まず最初に毎度お馴染みではありますが、インバータトランスの2次側は高い電圧を発生しますのでとても危険です。充分に注意の
うえ必要のないときはマメに電源を切りましょう。あと作業される場合は一人ではなく誰かに見えるところに離れて居てもらいましょう。
感電したときは電源を切ってもらったりレスキューを呼んでもらったりとか 対処方法をあらかじめ説明して処置を頼んでおいて下さい。
それと、この製品が本当にこういう製品なのか、もしかしたら私の間違いなのか、この製品に関する詳しい情報が見つけられないので
確認できていません。 と思っています。同じものをお持ちの方は情報をお寄せくださるようお願いします。
また、インバータは種類が多いので、多分そのまま使える情報ではないこともお含みおきください。
ディスプレイの品番は EPSON製 LCV-15TDS です。映像信号コネクタがDFP20Pのマイナーな廉価製品のようです。
操作スイッチは画面の入切と明るさのアップダウンしか付いていません。バックライトがとても明るくてまぶしく、最も暗くなる方向に調節しても
よく注意しないと暗くなったと分からないぐらい調節範囲が狭いです。
TMDSを受けているメイン基板にマイコンとおぼしきICが載っていて、インバータに対してON/OFFと明るさの制御信号を出してきます。
その明るさ制御信号の電圧は0V〜5Vでした。(最も暗くしたとき0Vで、最も明るくしたとき5V)
その信号はインバータ基板の中で抵抗で分圧され、さらにオフセットをかけられてインバータICにつながっています。
インバータICの品番は TI製 TL1451A です。
このICは2回路入りでインバータ基板には同じ回路が2つ載っていて、それぞれ2本ずつ計4本のCCFLを点灯しているようです。
ICの入力ピンにおける明るさ制御信号電圧は約1V〜1.5V(暗〜明)でした。この電圧はCCFLに流れる電流に比例した電圧と比較され、
(抵抗で電圧降下させて整流平滑した信号がICの別の入力ピンにつながっています)
両者が一致するようにインバータ出力が制御される回路になっています。
ということでCCFLの電流は5割くらいしか変わらないことになり、CCFLの電圧は点灯時は一定ですから電力も同様で、明るさもそれぐらいの
範囲でしか調節できないことになります。故障かと思って調べてみましたが抵抗の劣化はないようですし、ノイズを防ぐセラミックコンデンサも
GNDに対して入れてあるので、仮に絶縁不良になっても電圧が下がる方向にしかなりません。つまり、こういうふうに設計されているようです。
そこで明るさ制御信号電圧をオフセットさせている抵抗を特定して、抵抗値の大きなものに交換しました。
小さなチップ部品ばかりのところに大きなリード抵抗を付けたので目立ちますね。すいません、チップ部品は在庫していませんので悪しからず。
これを設計された方にも申し訳ありません。 でもまぶしいんです。 壊れたとき修理に出すつもりもありません。
変更後のICの入力ピンにおける明るさ制御信号電圧は、約0.4V〜1.4Vにしました。約0.36Vよりも電圧を下げると点灯が不安定になりま
したので少し余裕をみて。(問題の抵抗をはずした状態で動作テストして動作確認しました)
ただし常温でしかテストしてませんので、真冬の早朝とかだともっと暗くなり点灯不安定になる可能性もあります。そのときは一時的に明るさ
調節ボタンで明るくなる方向にすればいいでしょう。PCのモニタとして使うにはもう少し暗くてもいいかなという程度ですが、これ以上は2次側
回路を変えなくてはできないと思うので止めました。
ちなみに、上で説明したインバータの制御はパルス幅だけを変えて行われ周波数は変わりません。他励発振のPWMと呼ばれる方式で、
これまで見たものは皆似たような構成ですから、回路を解析されるときの参考になれば幸いです。
以上です。 ocka
→貴重な情報ありがとうございました。正直、当方には手に負えそうもないかも知れません。でも、こういう情報がアップされて
いれば、単純に「モニタは明るければ良い」という発想は無くなるかも知れませんね。暗い部屋で使う時は特に目が疲れます。
なお、モニタを改良する方はくれぐれも高電圧に注意してください。 By dyna
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